海外のリゾートコースなどで導入されているゴルフボード。その形状は日本で一時期流行ったキックボードを大きくした感じで、立って乗る板の四隅にタイヤがついていて、板から突き出たハンドルで操作する。
乗り方はスケートボードやサーフボード、スノーボードと同じで左右どちらかの足を進行方向に対して前に、もう一方の足は後ろに置く。つまり下半身は横を向くが上半身は進行方向を向くスタイルだ。
ちなみにサーフィンやスケート、スノーボードでは左足が前ならレギュラースタンス、右足が前ならグーフィースタンスと呼ぶがコースのスタッフによれば、「日本人はほとんどがレギュラースタイル」とのこと。ちなみに、同行の月刊ゴルフダイジェスト副編集長Hも、私も、左足が前。
スケートボードに乗ったことがある人なら想像できると思うが、曲がる進行方向に対してつま先側か、かかと側のどちらかに体重をかけると前後のタイヤが向きを変え曲がることができる。私(中村)はスケートボード、スノーボード、サーフィンすべて経験しているが、実際、感覚的にはスケートボードが一番近い。
そう言うと、「ちょっと難しそう?」と不安になるかもしれないが、手元のハンドルバーを左右に倒すことでも同じ効果が得られ方向を変えることができるので安心して大丈夫。ちょっと慣れれば電動自転車レベルの難易度しか感じられない。
スタートとストップは指で操作するレバーがあって車やバイクのアクセルと同じ要領。スピードは三段階に調整できるので、慣れるまでは速度を低めにしておけば、急加速して段差に乗り上げるなどのミスも防げるようになっている。
ちなみにレンタル料金は30ドル(約3300円)。iPadで5分間のビデオを見れば、講習も終了だ。
さて、実際に乗ってみると、キャディバッグもハンドルの前にしっかりと固定できるし、重量物が前にあってもふらつくようなことはなく非常にバランスがいい。
走り出すと軽快で動力の力不足はまったく感じない。コース内のマウンドや傾斜の登り下りもいたってスムーズ。多少のラフや裸地でもなんてことはない。乗ってコースを走ると思いのほか楽しい!
スノーボードやスケートボードは滑るだけで楽しいもの。ボードスポーツの楽しさを味わいつつ、ゴルフもできてしまう。うーん、これはいい。もちろん、ボールのすぐそばまで寄せられるので、プレーの進行も極めてスムーズ。スロープレー対策にもなるかもしれない。
足の裏の重心移動でボードの動きをコントロールするので、ゴルフのスウィング中の重心移動の感覚もわかる……かも(笑)。
ただ、つま先上がりやつま先下がりのキツい傾斜ではさすがに不安定に。さらに、小回りは利かないので、ティグラウンド周りでUターンするようなカート道路の導線のときは、走行ボタンをバックに入れて切り返す必要がある。
と、問題点もないではないが、それよりも楽しさ・快適さがはるかに勝る。気になるお値段は6500ドル(約71万5000円)とのこと。日本でも乗りたいものだ。
撮影/姉崎正
写真/姉崎正