クラブの流れが非常に良い
大人のアベレージゴルファーに向けたブリヂストン「ファイズ」シリーズ。バリバリの飛ばし屋ではなく「ヘッドスピード38m/s以下のゴルファーに特におすすめ」とメーカー側が明言する通り、ドライバーからアイアンまでシャフトのフレックスはRと若干軽めなR-Lightの2種のみ。
さっそくドライバーから順に見ていこう。重心角(クラブを平らに置いたとき、フェース面が上を向く角度。これが大きいほどつかまりやすい)はファイズ史上最大の32度の超つかまり設計。総重量は270グラムと軽量で、楽に振れてヘッドスピードを上げられる。
堀口が打つと、キャリー217ヤード、トータル249ヤード。打ち出し角11.1度。ヘッドスピード40.5m/sに対しボール初速60.1m/s。スピン量は2348rpmという結果に。
「めっちゃ打感柔らかいですよコレ。すごい食ってる感触があります。柔らかいんですけど、ドスンと力強く飛ばす感じもありますね。まあそうじゃないと250ヤードはなかなかいかないですよね。シャフトもこれくらいのヘッドスピードで十分しなってちょうど良いタイミングで戻ってきてくれてます」(堀口)
続いて、フェアウェイウッド(以下FW)。こちらもドライバーと同じく重心角が大きめで、つかまり性能が高い1本。ロフト角は5番で20度だ。
構えた見た目は「ユーティリティ(以下UT)みたい」と堀口。「UTよりももうちょっと深さと厚みがあるみたいなイメージ。楽そうですね」。
堀口が打つと、キャリー206ヤード、トータル220ヤード。打ち出し角12.3度。ヘッドスピード40.1m/sに対しボール初速59.6m/s。スピン量4316rpmという結果に。
「打感は柔らかいです。しっかりつかまって、簡単に飛ばせますね」(堀口)
次はUT。FWと同じくつかまり性能が高く、最薄部1.6ミリの薄肉フェース(5番のみ)を採用し高初速を実現している。ロフト角は5番で21度。
FWがコンパクトだったのもあって、その流れを受けたUTはさらにシャープな形状。シャープすぎると難しいクラブになりそうだが、堀口は「かなり構えやすいし打ちやすいです」という。
「(フェースの)薄さと、深緑の色合いなのもあって構えやすい見え方なのが良いですね。ヘッドスピードに対して初速がしっかり出ています」(堀口)
シャフトは「PZ-509U」(純正)のRフレックスを使用。堀口が打つと、キャリー181ヤード、トータル196ヤード。打ち出し角13.0度。ヘッドスピード36.4m/sに対しボール初速54.2m/s。スピン量4246rpmという結果に。
同じくFWとUTを打った中村も「UTの顔がいい」という。
「ロフトの見え加減とネックからフェース面へのつながりがすごく上手ですよね。打ってみると球は上がって初速も出るし、弾き感もバランスも良かったです」(中村)
中村の試打結果はキャリー183ヤード、トータル196ヤード。打ち出し角15.3度。ヘッドスピード36.5度に対しボール初速54.3度。スピン量は4393rpmだった。
最後はアイアン。7番でロフト角26度と、通常のアイアンで5番相当の設定となっている飛び系アイアン。強めのグースネックで、「見るからに飛んでいきます、みたいな見た目してますね」と堀口。
堀口が打つと、キャリー169ヤード、トータル181ヤード。打ち出し角15.7度。ヘッドスピード35.2m/sに対しボール初速51.5度。スピン量4711rpmという結果に。
「直進性が高いです。弾くなあ~。滑らせていくように打っても全然飛びますね。飛び系アイアンなので5番UTのすぐ下に7番アイアンを入れてもいいですし、上の番手を厚めにしたいなら6番を入れてみても良さそうですね」(堀口)
ドライバーからアイアンまで、しっかり通しで打ってみると「クラブの流れが良いのがわかりますね」と堀口。
「ドライバーからFW、UTと、特にウッド類の顔の流れがすごく良くできていますね。飛距離や女性のハードヒッターでも十分使えるクラブです」(堀口)
中村も堀口に同意する。
「ドライバーから徐々に重くなっていくような流れも非常にいいですよね。もちろんまだまだ飛ばせるぞ! という人はブリヂストンでいえばJGRやXD-3が選択肢に挙がってくると思うんですけど、ヘッドスピード38m/s以下、速くても40m/s前後くらいの方で、最近ヘッドスピード上がらなくなってきたな~という方にはファイズがオススメですね」(中村)
かつての相棒が今ではオーバースペックに、なんてことは誰にでも起こり得る。そんなとき軽く振って楽に飛ばせるファイズはまさに魔法の杖と言えるのではないだろうか。
協力/PGST