ギャラリーの呼びかけに応じるリラックスモード
先週、全米オープンの舞台であるペブルビーチGLをプレーしていたというタイガー・ウッズが、現地の水曜日にコースに姿を現しました。
早速スウィングをチェックしましたが、マスターズのときと比べるとクラブの運動量が増えているという印象。逆にいえば、ちょっと体の動きが足りていないとも言えます。
体の動きに対してクラブの動きが大きいので、狙ったラインよりわずかに左にボールが出ていました。マスターズのときの完璧に仕上げられた絶好調の状態と比べてしまうと、クオリティ的にはそこまでは至っていない……要するに、ちょっとお疲れのようです(笑)。
ただ、本人はリラックスモード。プロアマ戦でナイスショットを放った後、ギャラリーからの「すごいショットだな、タイガー!」の呼びかけに「俺はもうシニアみたいなもんだよ」とジョークで返していました。
これは冗談半分本気半分なのでしょう。以前のように体の強さを出していくのではなく、無理をせず、クラブに頼るスウィングへモデルチェンジし、加齢に応じたスウィングを選択していることが、こんな言葉の端々からもわかります。
そんなタイガーは、マスターズでもそうでしたが、最近特徴的な素振りを取り入れています。いわば「オーバースウィング素振り」。実際のスウィングではトップでシャフトが地面と平行になりますが、素振りではヘッドが“垂れる”オーバースウィング。なんじゃこりゃ? という変なスウィングです。
クラブを完璧にコントロールしてシャープにスウィングしていた以前と比べ、今のタイガーはクラブの重みを感じながら、切り返しで反動を使い、ダウンではクラブをリリースしながら振るようになっています。
柔らかくクラブを上げ、自然とオーバースウィングとなる素振りをすることで、ヘッドの重みを感じることに意識を持っているのだと思います。これは、切り返しで力んでしまい、シャフトのしなりが使えないアマチュアゴルファーの方などにもオススメできる素振りのやり方です。
決して「絶好調! 優勝争い間違いなし」という状態ではないタイガーですが、本番は6月13日に幕を開ける全米オープン。その前最後の試合となる今週、お疲れモードの中でどのようなプレーを見せてくれるのか。楽しみにしたいと思います。