ダスティン・ジョンソンは10年前のリベンジなるか
成田GCで開催された米シニアツアー「マスターカード・ジャパン選手権」。そこに出場しているゴルフ界の大ベテランたちに、今週ペブルビーチGLで開催される「全米オープン」の優勝者予想をしてもらった。
1番人気は世界ランク2位のダスティン・ジョンソン(8票)。彼は2009〜2010年とペブルビーチで毎年開催されている「AT&Tペブルビーチ・プロアマ」で2連覇を果たしており、2014年、2018年には優勝争いの末、2位に入賞している。
また2010年の全米オープンでは、3日目を終えてグレアム・マクドウェルと3打差をつけて首位に立っていたが、最終日に82と大叩きし、マクドウェルに逆転優勝を許した経緯がある。しかしながらコースとの相性は抜群で、ペブルビーチといえばDJというイメージが定着しているのだろう。今年こそ、10年前のリベンジを果たすため、DJは全米オープン2勝目を狙っているはずである。
次に人気があったのは、マスターズでメジャー15勝目を果たし、調子も上向きなタイガー・ウッズ(7票)。優勝するだろう、という予想というよりも、期待を込めての一票が多かった。日本人選手として推薦出場している深堀圭一郎も「TWに期待している」と一票。中には「昔よりもいいスウィングをしている」(ポール・ゴイドス)という選手もいた。
2000年にはアーニー・エルスらに15打差という歴史的な大差をつけてぶっちぎり優勝を果たしたタイガー。カリフォルニア生まれで、ペブルビーチからも程近いスタンフォード大出身ということもあり、若い頃から慣れ親しんだコースということもあり、タイガーのペブルビーチでの19年ぶりの優勝を期待したいゴルフファンは多いだろう。ちなみにトム・ワトソンもタイガー推しである。
先の全米プロでメジャー4勝目を挙げ、メジャーでの勝率が過去2年間で50%という驚異的な強さを誇るブルックス・ケプカは3位(4票)。
世界ランク1位であり、直近のメジャーでの勝ちっぷりをテレビで観ても、大ベテランたちはケプカの強さにピンときていない人が多いのかもしれない。実際、チャンピオンズツアーの選手たちでケプカのゴルフを目の前で見ている選手はほぼいないはずである。それでも、スコット・シンプソン、マーク・カルカベッキアらは彼のパワフルなスウィングと動じないメンタルを評価している。
あとは、4位ローリー・マキロイ、リッキー・ファウラー、マット・クーチャー(それぞれ3票)。7位ウェブ・シンプソン(2票)、8位フィル・ミケルソン、ザンダー・シャウフェレ、ハロルド・バーナーⅢ(それぞれ1票)と続く。
今年のAT&Tペブルビーチ・プロアマで優勝したフィル・ミケルソンはキャリアグランドスラムを達成しようと虎視眈々と優勝を狙っているはずだが、意外と人気がない。そしてさらに意外だったのは、ウェブ・シンプソン推しが数人いたこと。2012年、サンフランシスコのオリンピックCCで全米オープン初優勝を遂げた彼は、昨年プレーヤーズ選手権というビッグイベントで優勝したものの、今ひとつ絶好調とは言い難い戦歴が続いている。
いずれにせよ、ペブルビーチはグリーンが小さく、2打目のアイアンショットの精度の高さがものをいうコースであり、飛距離よりも方向性が求められる。そういう意味では、現在ツアーでパーオン率NO.1のマット・クーチャー、2位のタイガー・ウッズなどは有力候補かもしれない。