タイガーは18、松山は15アンダーで“一騎打ち”。なにかが起こる気配アリ!?
最後の最後で希望が見えた。そんな印象の松山選手のファイナルラウンドでした。
日曜日の朝8時20分からサードラウンドをスタートし、スコアを5つ伸ばした松山選手。午後1時50分に、首位を走るタイガー・ウッズと3打差の単独2位からファイナルラウンドをスタートしていきました。
タイガーは2位と3打差以上をつけてファイナルラウンドに臨んだ場合の勝率は24戦24勝で100%。それでもなんとかして勝利をつかむべく、必死のプレーが続きます。
しかし、ショットはブレ気味。4番で右、8番では左にティショットを曲げ、いずれもボギーにしてしまいます。結局前半を終えて2バーディ、2ボギー。後ろで回るタイガーは前半でスコアを2つ伸ばし、その差は5打に広がってしまいました。
ひとつでも縮めたいフロントナインで逆に差を広げられてしまいましたが、日没サスペンデッドが迫る11番、セカンドをピタリと寄せてバーディを奪うと、12番では7〜8メートルの長いパットを沈め、連続バーディ締め。11番をパーで終えて今日のプレーを終えたタイガーとの差を再び3打に詰めて、明日月曜日の“最終日”を迎えることになりました。
整理すると、タイガーはスコア18アンダーで残り7ホール。松山選手は15アンダーで残り6ホール。3位タイのイム・ソンジェ、ゲーリー・ウッドランドのふたりは12アンダーでタイガーとは6打差。残りホール数を考えると、彼らの逆転というシナリオは現実的ではありません。明日はタイガーVS松山の一騎打ちという様相です。
タイガーはここまでの3ラウンドで、12番以降は8バーディ2ボギー。対する松山選手の13番以降は4バーディ1ボギーという成績。ですが、松山選手にもチャンスはあります。
まず13番パー3はバーディはないものの、ピンにはついているというホールで、バーディのチャンスはあります。14番パー5は608ヤードと距離が長いため2オンは難しいですが、ここは初日にバーディを奪っています。ここでもバーディが欲しい。そして18番、2オン可能なパー5でイーグルを奪って、19アンダーまでスコアが伸ばせれば……そんなふうに“皮算用”したくなります。
大ギャラリーの声援を浴び、ボギーのあと崩れそうなとき踏みとどまっているのはギャラリーの声援の力のおかげとラウンド後に語っていた松山選手。相手がタイガーであろうとも、残りホール数が少なくとも、彼は勝利だけを追求してプレーを続けるのは間違いありません。2日目が順延、3日目が無観客試合、4日目が日没サスペンデッドとなったこの試合ぼ舞台、アコーディア・ゴルフ習志野CCは“なにかが起こる雰囲気”に包まれています。
タイガーが勝てば史上最多勝に並ぶ82勝目。松山選手が勝っても、それはタイガーの不敗神話を止めた奇跡の逆転優勝と呼ばれるはず。どちらが勝っても伝説になる、そんな勝負の行方を、また明日見届けたいと思います。
撮影/姉崎正