同伴競技者はもちろん、前後の組とも「調和」する
突然ですが、みなさんは普段プレーのペースについて意識しますか? 私はします。その理由を、これからお話ししたいと思います。
ゴルフではスロープレーをしないことが大切なマナー。一人のプレーが遅いプレーヤーの存在は、後続の組、ひいてはコースにいる多くの人に迷惑をかける可能性があるからです。ただ、だからといってなんでもいいからとにかく早く回るべき! と私は思いません。大急ぎで回って、とくに遅いわけでもない前の組のプレーを毎回イライラしながら待つなんて、ナンセンスですもんね。
私は、いいスコアを出すためには今いるゴルフ場と調和すること、それがすごく大切だと考えています。みなさんの周りに、しょっちゅう前の組に「遅い!」と文句を言っている人、いませんか? あるいは、後ろの組をすごく気にして、自分の背後30ヤードくらいのところにコロコロとボールが転がってきただけで「打ち込みだ!」と怒る人もいたりしますよね。上司や立場が上の人とのプレーなら「待たせては申し訳ない!」と気が急くこともある一方、スロープレーヤーと同組で、1打ごとにまだ打たないのかとイライラさせられることもあるでしょう。
気持ちはわかりますが、イライラしたり、プンスカしたり、焦りながらベストスコアはでないものです。だからこそ、大切なのは「調和」なんです(笑)。
プライベートのゴルフなら、自分と同じペースで心地よくプレーできる仲間とともに、空いている時間帯のスタート枠をとるなんてことも可能ですが、競技ではそうもいきません。やたら話しかけてくる人、やたら自分の世界に入る人、ルールにうるさい人、ルーズな人、プレーが速い人遅い人……様々な同伴競技者と様々な条件でプレーする必要があり、それを選ぶことはできません。
だからこそ、私はとにかくゴルフ場や同伴競技者、前後の組と調和するよう務めます。たとえば前の組のプレーが遅い場合、パー5ではレイアップを選択するとか。待たされて「待ちチョロ」するくらいなら、刻んで3打目勝負にしたほうがメンタル的にもいいですから。今はルールも変わりましたから、同伴競技者で仕切りの遅い人がいれば、一声かけて「レディゴルフ(準備のできた人から先に打つ)」を実践するのもいいでしょう。
ゴルフは、四人一組、ときには前後の組みも含めた12人一組で行う大縄跳びのようなものです。同伴競技者と調和し、前後の組と調和し、風やら天候やら動物やら飛行機やら、様々な気になることと調和し、リズムよく縄を飛ぶ。自分の間合い、自分のリズムで、タイミング良くプレーする。これがとても大事なんです。
もちろん、調和が大切だからといって、スロープレーヤーに合わせて自分のプレーも遅くする、なんていうのはダメですよ(笑)。