年に1度、世界中のゴルフメーカーがアメリカ・フロリダ州に集結する世界最大のゴルフ用品イベント「PGAショー」が2020年1月22日〜24日にわたって開催されている。そんなゴルフのお祭りに業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人が乗り込んだ! 3日目は主にギアに注目してレポートしてもらった。

意外と少ない? ギアメーカーを回ってみた

みなさんこんにちは、クラブフィッターの小倉です。今回も引き続きPGAショーのレポートをお届けしたいと思います。

個人的に意外だなと思ったのですが、ギアメーカーのブースはそんなに多くはありません。巨大なブースを形成し、大々的にアピールしているメーカーはいくつかあるので、目につく感じではないのですが、ギア以外のブースの方が圧倒的に多かったです。

画像: 会場であるホールの端に接地された打席。50打席近くあり、ちょっとした練習場。ギアメーカーはもちろん、練習グッズのメーカーや計測機関連のメーカーも打席を用意し、レッスンを行う打席もありました。どの打席も常に人が打っていて、中々順番が回ってこない……

会場であるホールの端に接地された打席。50打席近くあり、ちょっとした練習場。ギアメーカーはもちろん、練習グッズのメーカーや計測機関連のメーカーも打席を用意し、レッスンを行う打席もありました。どの打席も常に人が打っていて、中々順番が回ってこない……

存在感を発揮していたギアメーカーのひとつ、タイトリストのブースではTシリーズのニューアイアン「T400」が目立っていました。

画像: 新しく追加されたT100S、T400を含めた5タイプのTシリーズが並べて陳列されていたのですが、多くの人がT400を手に取っていました。「見ろよこんなにソールが厚いぜ!」「ロフト立ってるな~すげー飛びそう」的なやり取りかな?

新しく追加されたT100S、T400を含めた5タイプのTシリーズが並べて陳列されていたのですが、多くの人がT400を手に取っていました。「見ろよこんなにソールが厚いぜ!」「ロフト立ってるな~すげー飛びそう」的なやり取りかな?

その他タイトリストブースではコンセプトカーならぬコンセプトアイアンが飾られていました。なんでもいままでクラブ製造で使われたことのない珍しい金属を極薄に仕上げてあり、低重心化に使用されているタングステン合金がヘッドの重さの約半分を占めるという物のようです。

画像: 右がシャープなストレートフェースのCP-02、左がややオフセットが付いたCP-01。ギアオタク心をくすぐる逸品でした!

右がシャープなストレートフェースのCP-02、左がややオフセットが付いたCP-01。ギアオタク心をくすぐる逸品でした!

デザインがシャープでカッコよかった! これは打ってみたい!

コブラプーマブースも盛況でした。今回新製品で日本でももうすぐ発表されるであろうKingSZシリーズ。SPEEDZONEの略だそうです。日本仕様までは確認できませんでしたが、ドライバーはスタンダードとXTREMEと記載された2モデルが展示されていました。

画像: ニューモデルのKING SZ。2つのウェートを入れ替えることで重心位置を調整できるスタンダードと搭載ウェイトがひとつのXTREME

ニューモデルのKING SZ。2つのウェートを入れ替えることで重心位置を調整できるスタンダードと搭載ウェイトがひとつのXTREME

スタンダードはソールのウェートが2カ所、XTREMEは後方側1カ所といった違いが見て取れました。カラーリングはどちらのタイプにもホワイト、イエローをそれぞれを使用したバリエーションがありました。

個人的に良さそうだなと思ったのが、フェアウェイウッドとユーティリティ。

画像: ソールに2本のレールを搭載したSZのフェアウェイウッドとユーティリティ。深いラフでもヘッドのブレが少なそう!

ソールに2本のレールを搭載したSZのフェアウェイウッドとユーティリティ。深いラフでもヘッドのブレが少なそう!

ソールに同社往年の名器バフラーを思わせる、レールが設置されていて悪いライでもスムーズにヘッドが抜けてくれそう。特に気になったのがワンレングス仕様のユーティリティ。かなり短く、ミート率も高まりそうで悪いライでも安定して距離が出せそうです。

画像: ワンレングス仕様の短いユーティリティはとにかく打ちやすそう。長いクラブが苦手な人にも良さそうですね

ワンレングス仕様の短いユーティリティはとにかく打ちやすそう。長いクラブが苦手な人にも良さそうですね

番手は1番手違いますが、長さはそれ以上の差があります。ワンレングス仕様は37.5インチ。19度のモデルもありますが、それも37.5インチで長さは変わりません。もちろんアイアンにもワンレングス仕様があり、すべての番手が同じ長さに設定されています。アイアンにも興味がありますが、短いユーティリティは長いクラブが苦手な人にとっては武器になりそう。

ミズノブースも頑張っていました。キャッチコピーにLayers of feelという言葉を使い日本語で「層状の打感」の文字が。

画像: ブースには人も多く、注目度が高いのがうかがえました

ブースには人も多く、注目度が高いのがうかがえました

目立つ所に飾られていたMP-20は、ミズノのアイアンを使っているプロのフィードバックを元に設計された最新のマッスルバック。アドレスカットを取り忘れてしまったのですが、非常にシャープで薄いトップブレードが特徴。

画像: MP-20という名で3タイプラインナップしてきたミズノ。スタッフも熱心に説明していて、かなり注目されているように感じました

MP-20という名で3タイプラインナップしてきたミズノ。スタッフも熱心に説明していて、かなり注目されているように感じました

その反面、番手毎の最適重心を追求するため、3~5番、6~8番、9~Pとヘッドの厚みを変えてあり、意外とやさしそうな印象を受けました。

このMP-20はシリーズというか同じMP-20の名前でMMC、HMBとそれぞれサブネーム? が付いたモデルが2つ存在します。MMCはマルチマテリアルキャビティの略で軟鉄ボディのキャビティ部分にチタンを埋め込み、タングステンウェートを使用したハーフキャビティモデル。

画像: こちらはHMBと書かれた中空モデル。試打する人も多かったです

こちらはHMBと書かれた中空モデル。試打する人も多かったです

HMBはホットメタルブレードでフェースにクロムモリブデン鋼を使用した中空モデルです。これらのモデルは共通して銅下メッキを使用しており、柔らかい打感を生み出すそう。プロにも大好評なのだとか。手に取る方も多くいて、試打ブースは常に混んでいましたよ。

残念ながらテーラーメイドは出展していなかったのですが、PINGとキャロウェイは大きいブースで安定の人だかり。

画像: 50g台の軽めのモデル、70g台のハードなモデルとシャフト違いのモデルも展示されていました

50g台の軽めのモデル、70g台のハードなモデルとシャフト違いのモデルも展示されていました

キャロウェイのマーベリックはアルディラシャフトのローグが挿さったカスタムシャフト仕様が展示されていたり、JAWSウェッジのそばに分かりやすいオブジェがあったりとアメリカらしい演出が。

画像: 「ジョーズ」ウェッジってことですね。わかりやすい!

「ジョーズ」ウェッジってことですね。わかりやすい!

PINGは発表されたばかりのG710アイアンとペプラーパターが展示されており、高い関心を集めていました。

画像: 黒いヘッドが精悍で飛距離を最大限に追求したモデルには見えないカッコよさを持つG710。当然関心も高かったです

黒いヘッドが精悍で飛距離を最大限に追求したモデルには見えないカッコよさを持つG710。当然関心も高かったです

最後に気になったのがPRGR。日本ではお馴染みで、過去にもアメリカに進出していたメーカーですが、展示していたのがヘッドパーツで販売するいわゆるカスタムモデルPRGR TUNEだったこと。

ヘッドパーツでの販売はシャフトなどを選んでから組み立てることができるので細かくカスタムしやすいという利点がありますが、ショップなどで組み立てる為、どうしても価格が上がってしまいがちです。

画像: 同社で人気の計測器「RED EYES POKET」それに続けと展示されているパーツ販売専用ブランドPRGRTUNEのヘッド。やはりアスリートからの反響が大きいそう

同社で人気の計測器「RED EYES POKET」それに続けと展示されているパーツ販売専用ブランドPRGRTUNEのヘッド。やはりアスリートからの反響が大きいそう

個人的にアメリカでは高価格帯のモデルはなかなか難しいと聞いていたのですが、工房を持つショップなどからリクエストがあり、今回の展示になったのだとか。こういった細かくカスタムできるモデルが高くても売れてくれると個人的にはうれしいですね!

まだまだたくさんのアイテムを見てきましたが、あまりに長くなってしまうのでご紹介はここでおしまい。今回初めて見に来ることができましたが、出展者はもちろん見に来ているティーチングプロや、メディア、バイヤーなどの多さ、熱意に圧倒された3日間でした。まさに世界各国からゴルフ関連を生業にしている方が集まってくる場所ですね。機会があればまた絶対来たいですね!

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