「胸でボールを見続ける時間をコンマ1秒でも長くしたい」(辻村)
インパクトはボールを打つ瞬間の〝一点〞と考えているアマチュアの方は多いことだろう。だが辻村はゾーンで考えている。「インパクトとは、体の真正面でボールをとらえる〝時間〞のことです。そしてそのゾーンを少しでも長くすることが飛距離を伸ばし、ショットの精度を高めるのです」(辻村)
辻村は、選手一人ずつに専用ノートを作っている。そこには選手のテーマや課題、発見や練習メニューなどが書かれている。たとえば、昨年7月、吉田は楽天スーパーレディースで2勝目を挙げたが、その前に吉田のノートに書かれていたのが、「体の真正面でボールをとらえることが大事。胸でボールを見続ける時間をコンマ1秒でも長くする」ということ。
真正面でボールをとらえる体の締まりとキツさ、そして〝がまん〞を身につけることを、辻村はチームの選手たちに教えている。
「フォローでは、頭とクラブヘッドが反対方向に引っ張り合うこと」(辻村)
チーム辻村が目指すのは、低くて長いインパクトゾーン。そのために求められるのが〝カウンター〞と呼ばれる体の動きだ。「簡単に言えばインパクトからフォローにかけて、〝2つの頭〞(自分の頭とクラブヘッド)が、反対方向に引っ張り合う動きです。この動きによってヘッドが加速、フォローで腕が真っすぐに伸びて、低くて長いインパクトゾーンを手に入れることができるのです」(辻村)
辻村によれば、カウンターの動きはパッティングにも求められるという。ちなみにダウンスウィングからインパクトで、〝2つの頭〞が同方向に動くのが、いわゆるドアスウィングと呼ばれるものだ。それが体の大きな一般男性が、体の小さな女子プロよりも飛ばない大きな原因のひとつでもある。
「一番ショットが安定するのは、インパクトゾーンでゆるやかな軌道を描いてボールをとらえることです。低くて長いインパクトになれば、アイアンで細長いターフが取れるようにもなります」(辻村)
そのためには軸と左サイドの安定、フォローで腕を大きく伸ばすことが絶対条件。辻村明志が紹介する様々なドリルで身につけていこう!
※週刊ゴルフダイジェスト2022年11月29日号「チーム辻村のインパクトゾーンを手に入れよう」から一部抜粋
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