今回ドリルを紹介する上で、ポイントになるハンドファーストについて、まず説明しましょう。
正しい“ハンドファースト”ができるとショットは安定します。ところがボクが見る限り、多くのアマチュアのみなさんは形ばかりを追いかけて、間違ったハンドファーストをしているような気がしてなりません。
これについてボクがよく選手たちに言う言葉が、「刃先を締めろ」というものです。具体的にはリーディングエッジ(刃先)を浮かせずに締めてボールを「もうひと押し」する、という感覚でしょうか。
インパクトで「もうひと押し」する感覚をつかみたい
![画像: 「カード押し」ドリルは、リーディングエッジをカードの一辺にあてて、カードを押すだけ。単純だが、辻村ドリル集でもっとも難しいドリルのひとつかもしれない(撮影/三木崇徳)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2022/11/27/e8ff4d22bae38d53db5ca424a439ec0ef51fad58.jpg)
「カード押し」ドリルは、リーディングエッジをカードの一辺にあてて、カードを押すだけ。単純だが、辻村ドリル集でもっとも難しいドリルのひとつかもしれない(撮影/三木崇徳)
「カード押し」というドリルは、まず、インパクトの形を作り、ヘッドの前にカードを置きます。アイアンのリーディングエッジ(刃先)をスクェアにして、カードの短いほうの一辺を刃先に合わせます。ポイントとしては、体の重みをすべて刃先に乗せる、といったところでしょうか。その状態から飛球線方向にカードを押します。ヘッドが左足の前にくるまで、カードをしっかり押しましょう。
これが正しいハンドファーストのインパクトであり、強いボールが打てる低くて長いインパクトです。
この「カード押し」練習をよくやっているのが上田桃子です。
今シーズンは、前半戦のスタジオアリスで優勝し、後半戦に入り、10月のスタンレー、11月はTOTOジャパンと伊藤園レディスで優勝争い。最終戦を前にシーズン2勝目を手にすることができませんでしたが、開幕から最終戦までツアーを盛り上げてきました。
![画像: 体重がボールに乗った桃子のインパクト。「カード押し」でもうひと押しする練習を続けることで、強いボールが打てるようになる(撮影/大澤進二)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2022/11/25/f44fa1dc9cc4e6e486fec1121c1916bb2f9438b4_xlarge.jpg)
体重がボールに乗った桃子のインパクト。「カード押し」でもうひと押しする練習を続けることで、強いボールが打てるようになる(撮影/大澤進二)
桃子でさえ、体が疲れている試合翌日(月曜日)の練習では、なかなか上手くカードを押すことができません。
疲れたときや体調が悪いときなど、桃子の調子のバロメーターになる練習法です。カードが押せて、体重がボールに乗っているときは、桃子は絶好調。シーズンを通して優勝争いできるように、来シーズンも「カード押し」やほかのドリルと併せて、さらに強くなれるように指導したいと思います。(解説/辻村明志)
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