今回ドリルを紹介する上で、ポイントになるハンドファーストについて、まず説明しましょう。
正しい“ハンドファースト”ができるとショットは安定します。ところがボクが見る限り、多くのアマチュアのみなさんは形ばかりを追いかけて、間違ったハンドファーストをしているような気がしてなりません。
これについてボクがよく選手たちに言う言葉が、「刃先を締めろ」というものです。具体的にはリーディングエッジ(刃先)を浮かせずに締めてボールを「もうひと押し」する、という感覚でしょうか。
インパクトで「もうひと押し」する感覚をつかみたい
「カード押し」というドリルは、まず、インパクトの形を作り、ヘッドの前にカードを置きます。アイアンのリーディングエッジ(刃先)をスクェアにして、カードの短いほうの一辺を刃先に合わせます。ポイントとしては、体の重みをすべて刃先に乗せる、といったところでしょうか。その状態から飛球線方向にカードを押します。ヘッドが左足の前にくるまで、カードをしっかり押しましょう。
これが正しいハンドファーストのインパクトであり、強いボールが打てる低くて長いインパクトです。
この「カード押し」練習をよくやっているのが上田桃子です。
今シーズンは、前半戦のスタジオアリスで優勝し、後半戦に入り、10月のスタンレー、11月はTOTOジャパンと伊藤園レディスで優勝争い。最終戦を前にシーズン2勝目を手にすることができませんでしたが、開幕から最終戦までツアーを盛り上げてきました。
桃子でさえ、体が疲れている試合翌日(月曜日)の練習では、なかなか上手くカードを押すことができません。
疲れたときや体調が悪いときなど、桃子の調子のバロメーターになる練習法です。カードが押せて、体重がボールに乗っているときは、桃子は絶好調。シーズンを通して優勝争いできるように、来シーズンも「カード押し」やほかのドリルと併せて、さらに強くなれるように指導したいと思います。(解説/辻村明志)
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