練習グリーンに籐のバスケットをのせたピンを設置したのは、福岡県のザ・クラシック ゴルフ倶楽部と系列の西日本カントリークラブ、佐賀クラシック ゴルフ倶楽部。ゆくゆくは本コースでも採用する予定だという。
プレストウィックゴルフクラブのバスケットを見て感激したのがきっかけ
「最初の全英オープン(1860年)が開催された、スコットランドのプレストウィックゴルフクラブを訪れたとき、ウィッカーバスケットがピンに使われているのを見て感動したのがきっかけです」とは、同系列コースを運営するクラシックマネジメントグループ総支配人の谷水大祐氏。
1800年代後半に英国のゴルフ場で多く使われていたウィッカーバスケット。その名のとおり籐で編んだ篭(かご)を竿先にのせ、ホールに差して使っていた。その形が当時の婦人用帽子の留め針に似ていたため、“ピン”と呼ばれるようになったという。その由来は諸説あるものの、篭が旗に代わっても、その名は“ピンフラッグ”の言葉として残り続けている。
2013年の全米オープンはウィッカ―バスケットのピンで開催
1912年の開場当初から、100年以上ウィッカ―バスケットを使い続けているのは、米国ペンシルベニア州にあるメリオンゴルフクラブ。
同ゴルフ場では、直近で1981年と2013年に全米オープンが開催されたが、もちろんピンはウィッカーバスケット。両年ともに、現地でUSGAのレフェリーを務めた川田太三氏いわく、「選手たちは伝統を称えていました」
前述した3コースに先んじて、2007年にウィッカーバスケットを設置したゴルフ場があった。兵庫県の吉川インターゴルフ倶楽部・MECHAだ。
同ゴルフ場の佐藤祐康社長によれば、「友人であるJGAミュージアム参与の武居振一さんからこのことを聞き、即座に採用を決めたのが始まりでした。以来17年間、うちの代名詞になりました」
実は日本でも1937年までウィッカーバスケットを使用していたゴルフ場があった。それが川奈ホテルゴルフコースの大島コースと富士コース。その実物は川奈の倉庫に眠っているという。今年はコース開場95周年、それを記念して再現してみるのはいかがだろうか。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年5月23日号より(PHOTO/Kiyoshi Iwai)