マスターズの歴代チャンピオンのひとりとなったジョン・ラーム。オーガスタの翌週、RBCヘリテージの練習日に撮影したクラブセッティング。
画像: ジョン・ラーム・ロドリゲス。1994年11月生まれ。スペイン出身。高校卒業後、アリゾナ州立大学へ進み、在学中に11勝と活躍。2016年プロ転向、現在19勝。2021年全米OP優勝、2023年マスターズ優勝

ジョン・ラーム・ロドリゲス。1994年11月生まれ。スペイン出身。高校卒業後、アリゾナ州立大学へ進み、在学中に11勝と活躍。2016年プロ転向、現在19勝。2021年全米OP優勝、2023年マスターズ優勝

スピンが入ったほうが、フェードをコントロールしやすい

ドロー有利と言われたきたオーガスタを、徹底したフェードで攻めきったジョン・ラーム。パラダイム♦♦♦(トリプルダイヤモンド)のドライバーについて、キャロウェイのUS本社のクラブ担当に聞いた。

画像: 1Wはパラダイム♦♦♦のロフト11.5度

1Wはパラダイム♦♦♦のロフト11.5度

「ジョンのドライバーは、(やや小ぶりな)450ccヘッドのトリプルダイヤ。試合では年明けのセントリートーナメントから使っています。今は10.5度のヘッドをプラス1度の設定でロフト11.5度に調整してあります」(クラブ担当者・以下同)

「この調整は、マスターズ前の3月のザ・プレーヤーズ選手権で変更したものです。狙いはフェードをさらに簡単に打てるようにすること。そのために、ドライバーにもう少しスピン性能を加える必要がありました」

「調整前のジョンの弾道はストレートすぎて、本人の理想よりも曲がりが小さかったのです。1度ロフトを寝かせてみると、イメージしたスピンが入るようになり、フェードをイメージどおりにコントロールできるようになったのです」

画像: パラダイム♦♦♦ × アルディラ ツアーグリーン ATX。ロフトを増やすことでスピンを増やし操作性を高めた

パラダイム♦♦♦ × アルディラ ツアーグリーン ATX。ロフトを増やすことでスピンを増やし操作性を高めた

「ジョン自身からは、『最初のテスト段階から(パラダイム♦♦♦の)アドレス時の顔、打感、振った時のフィーリングとボール初速のバランスを気に入っていた。(今回の調整を経て)ボールをさらにコントロールできるようになって、自信も深まった』と語っていました」

通常、ロフトを寝かせるとボールのつかまりが良くなるため、フェード系の球筋は出にくくなるものだが、ジョン・ラームとレップの意図は、つかまりの良さの向上よりも、スピン量を入れることが主眼だった。

それが成功、「狙ったフェードがやさしく打てる」ようになり、オーガスタを狙い通りのフェードで攻略、クラブの調整がラームの強さを後押しした構図だ。

シャフトはアルディラ ツアー グリーン。ジョン・ラームが数年前から挿しているお気に入りで、今回のマスターズはもちろん、2021年の全米オープン優勝時もこのシャフト。カウンターバランス気味で先端剛性が高く、操作性の良さが特徴。

3Wと5Wはツアー仕様のパラダイム♦♦♦Tモデル

3Wと5Wは、パラダイム♦♦♦Tというツアー仕様モデル。Tはツアーバージョンの略称で、ネックにカチャカチャ機能が付いていない、スッキリした顔とV型のソール形状が特徴だ。

ラームが使うのはロフト16度の3HLと18度の5W。3HLはこの♦♦♦Tだけの設定とのこと。シャフトは2本ともツアーAD DI-8のX。

画像: 3Wは16度のパラダイム♦♦♦T 3HL × ツアーAD DI。5Wも♦♦♦Tの18度。ツアー仕様の限定モデルとして購入可能

3Wは16度のパラダイム♦♦♦T 3HL × ツアーAD DI。5Wも♦♦♦Tの18度。ツアー仕様の限定モデルとして購入可能

パラダイム♦♦♦Tの5Wか、APEX UTのどちらかを使う

「(パラダイム♦♦♦T)の5WとAPEX UTはいつもバッグに入れています。練習ラウンドでどちらを使うか決めて試合に挑みます。さらにXフォージドUTアイアン(今回は未撮影)も持っていて、これはAPEX TCBの4Iとの比較で投入することがあります」(同担当者)。弾道高さの安定感ならばTCB、球の強さとライン重視ならばXフォージドUTと使い分けるようだ。

そのAPEX TCBアイアンには、プロジェクトX 125を挿す。TCBアイアンは、ラームが使ってメジャー2勝、ザンダー・シャウフェレが使って東京五輪で金メダルと、世界で実績を残しているモデル。ブレード長は短め、トップラインは薄く、操作性に秀でている複合素材のツアーアイアンだ。

画像: APEX TCB アイアン × プロジェクトX 125

APEX TCB アイアン × プロジェクトX 125

JAWS RAW ウェッジは市販ヘッドのまま使用

3本のJAWS RAW ウェッジは、52・56・59度。「ジョンは純正のJAWS RAW ウェッジのまま研磨もまったくせずに使用しています。ロブウェッジだけロフトを1度立たせて使っています。『(このほうが)バウンスが地面に当たる度合いがちょうどよく、タイトなライでボールにコンタクトさせやすいんだ』とはジョンの言葉です」

画像: JAWS RAW ウェッジ52・56・59度

JAWS RAW ウェッジ52・56・59度

また、ウェッジテストの際、「短い距離で低く小さなドローを繰り返し打っていたのが印象的でした」とは担当者の言葉。

パターは、ホワイトホットOG ロッシーS プロトタイプ。市販モデルはサイトラインが入るが、ラームのプロトはサイトライン無し。インサートも市販のホワイトホットインサートではなく、ホワイトホットマイクロヒンジインサート。長さは37インチ。

画像: ホワイトホットOG ロッシーS プロトタイプパター。ボールはクロムソフトX

ホワイトホットOG ロッシーS プロトタイプパター。ボールはクロムソフトX

ジョン・ラームは、クラブもボールもすべてキャロウェイ
1W/パラダイム ♦♦♦ ドライバー(11.5度)・アルディラ ツアー グリーン ATX 75 2.8(TX)
3W/パラダイム♦♦♦T 3HL (16度)・ツアーAD DI-8(X)
5W/パラダイム♦♦♦T (18度)・ツアーAD DI-8(X)
2U/APEX UTアイアン 2014モデル(21度)・KBSツアーHB プロトタイプ105(X)
4I~PW/APEX TCB アイアン・プロジェクトX 125(6.5X)
AW~LW/JAWS RAW ウェッジ (52度・56度・59度)・プロジェクトX 125(X)
PT/オデッセイ ホワイトホット OG ロッシー Sプロトタイプ(3度)
BALL/クロムソフトX
※スペックは編集部調べ(5月10日時点)

※週刊ゴルフダイジェスト2023年5月23日号より(PHOTO/Blue Sky Photos)

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