
「キックやパンチは、瞬間的にパワーを出すという意味で、力の出し方、伝え方が理解できるようになります」(斎藤氏)
『カウンター理論』を体で理解するエクササイズ
「キックもパンチも目標物を置き、ターゲットに向かってエアキックやエアパンチをするだけで十分なエクササイズになります。むしろミット打ちやサンドバッグを蹴ったりするのはケガにつながりやすいのでおすすめしません」(斎藤氏)
エクササイズのポイントは、左右と上下の動きを逆にすること。つまり、右を押したら左を引き、左を押したら右を引き、動きにメリハリをつけることだ。
「キック&パンチはストレッチでもトレーニングでもなく、カウンター理論(※前編参照)がどういうものなのかを体で理解するエクササイズです。キックとパンチでコツをつかめば、その動きをスウィングに応用していけるはずです」
女子プロが男性よりドライバーが飛ぶのは、ミート率が高いからだと思っている人は多いが、ミート率が高い理由はカウンターの動きによる力の出し方、伝え方の違いが大きいのだと斎藤氏は語る。
であれば、飛距離不足に悩むアマチュアこそ、キック&パンチの動きを生かすことで劇的な飛距離アップが期待できるかもしれない。
斎藤トレーナー考案のパンチエクササイズ

ボールめがけてのパンチエクササイズは打ち込む前への動きだけでなく、後ろに引く動きも重要
パンチエクササイズ① ボールめがけて「ストレートパンチ」
ボールを床に置き、ボールを目標に右手と左手で交互にストレートパンチを打ち込む。前に出す動きだけでなく、後ろに引く動きが重要だ。アドレス時の前傾姿勢で行うのがポイント。

「ストレートパンチ」と違うのは、ひじでボールめがけてパンチする動きだ
パンチエクササイズ② ボールめがけて「ひじパンチ」
ボールを床に置き、ボールの側面をひじで左右交互にパンチする意識で動かす。フックパンチを打つイメージだ。ひじの先端がボールに向くまで、上半身を捻転させると効果がさらにアップする。

左足に体重を乗せてから左にストレートパンチ=テークバック

右足に体重を乗せてから右にストレートパンチ=フォロー
パンチエクササイズ③ スウィングの動きで左右にパンチ
左足に体重を乗せてから左手で左サイドにストレートパンチを打つ動きと、右足に体重を乗せてから右手で右サイドにストレートパンチを打つ動きを10回ずつ繰り返す。
斎藤トレーナー考案の「キック」を極める3ステップ

クラブなどで片足立ちを支えながら、足を前後に蹴り上げる
キックエクササイズ① 足を前後に高く上げる
片足で立ち、もう片方の足を前後に高く上げる。右足を上げるときは左手をクラブなどで支えて行う。左足を上げるときはクラブの支えを右手に持ち替える。左右10往復ずつ。

①と違うのは軸足を決めて片足を左右に高く蹴り上げる
キックエクササイズ② 足を左右に高く上げる
片足で立ち、もう片方の足を左右に高く上げる。右足を上げるときは左手をクラブなどで支えて行う。左足を上げるときはクラブの支えを右手に持ち替える。左右10往復ずつ。

右足に体重を乗せてから、左足を蹴って左ひざを高く上げる。左足に体重を乗せてから右足を蹴る、逆向きのひざキックも行おう
キックエクササイズ③ できるだけ高くひざキック
右足に体重を乗せてから左足を蹴って左ひざ蹴りをする動きと、左足に体重を乗せてから右足を蹴って右ひざ蹴りをする動き左右10回ずつ繰り返す。できるだけひざは高く上げる。
TEXT/Tomohide Yasui PHOTO/Akira Kato MODEL/RinakoKurokawa(GOLULU)
※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月20日号「飛距離が伸びるキック&パンチ」より