地域活性化の起爆剤となるか、福島県の会津磐梯カントリークラブのさまざまな取り組みについてレポートする。
画像: 開場60年を超す伝統コース、会津磐梯カントリークラブが始めた新しい取り組み

開場60年を超す伝統コース、会津磐梯カントリークラブが始めた新しい取り組み

春先にはあったかベストを無料貸し出し

福島県にある会津磐梯カントリークラブ。1962年年開場の地域名門で、設計は当時トッププロだった台湾出身の陳清水。

開場前の1924年には、成婚間もない皇太子時代の昭和天皇と良子皇太子妃がこの地を訪れ、草原を刈り払いして造った急ごしらえのコースでゴルフに興じている。1番ティーのそばには「東北ゴルフ発祥の地 昭和天皇 鳥狩原ゴルフ記念の碑」が建てられている。由緒あるコースだ。

会津磐梯カントリークラブは昨年末に親会社が交代。新経営は(株)ISホールディングスの連結子会社(株)DMC aizuが母体。同社では、今年に入って矢継ぎ早にいくつもの新サービスを開始している。

春先には電熱器付きベスト(モバイルバッテリー給電し発熱するベスト)を無料で貸出したほか、立ち乗り電動二輪車(ゴルフ用セグウェイ)を東北のゴルフ場では初めて40台導入し、5月より稼働。

画像: セグウェイに続いて、3輪バギーも導入(PH/会津磐梯カントリークラブ公式SNSより)

セグウェイに続いて、3輪バギーも導入(PH/会津磐梯カントリークラブ公式SNSより)

初回は講習が必要となるが、会員は無料で7月平日はビジターも通常料金の半額(1650円・税込)で利用できる。

3輪バギーを24台。カートナビ付き

5月下旬からは1人乗り3輪バギーを24台導入。こちらも7月末までのキャンペーンとしてセグウェイ同様、半額で利用できる。初めてでの体験でも安定した走行ができるので講習は不要。加えて乗用カートには全台カートナビも設置している。

クラブハウスのロッカールームもリニューアル、レストランは一流ホテル出身者をはじめ新スタッフでメニューも一新した。

「当コースはメンバー主体のコースで、老若男女のゴルファーに楽しんでもらう多岐な施策を取り入れていますが、これからのゴルフ人口を支えるのは、何といっても若い層です。プレーのスピードアップは若い人に受け入れられるのではと考えました」(支配人・鈴木伸一氏)

さらに同社では磐梯町のふるさと納税返礼品に「電子クーポンクラウドサービス」(特許出願中)を活用した「ふるさと応援納税の節電クーポン」を提供し、今年5月から受け付けを開始している。

同社は東北有数の猪苗代スキー場も運営、宿泊施設や道の駅なども事業展開して、歴史ある同クラブと一体化して、観光関連事業の深化と誘客の相乗効果を追求できると判断している。

画像: 会津磐梯カントリークラブ、14番ホール(パー4)、400Yの打ち上げホール

会津磐梯カントリークラブ、14番ホール(パー4)、400Yの打ち上げホール

加えて、同社グループ代表の遠藤昭二氏は猪苗代町の出身であることから、会津地域の経済の発展、地域価値の向上、活性化に熱心だ。会津から目が離せない。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月27日号より

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