国土交通省により治水対策のため、埼玉県さいたま市から川越市・上尾市にかけて荒川第二、第三調整池の整備が来年より始まるはずだったが、工事着手が2年延期されて2026年からと変更になった。
調べたのは、大宮国際CC・川越グリーンクロス・ノーザン錦ヶ原G・大宮CC
これに伴って影響を受けるのは大宮国際カントリー倶楽部、川越グリーンクロス、ノーザンカントリー倶楽部錦ケ原ゴルフ場、大宮カントリークラブの4つのゴルフ場。
大宮国際カントリークラブでは、当初(2020年6月11日)通告していた内容を白紙撤回し、現行通り官地の占有を2026年3月末まで許可するとの通達を受けたという。つまり国から借りている官地の占有許可が2年延長されたわけだ。
「来年からの工事開始に備えて、9ホール縮小して36ホールでの営業を想定していました。しかし工事着手は延びたものの、営業ホール数は縮小される可能性もあり、2026年までより良い利用方法を検討したいですね」と大宮国際カントリークラブの支配人・山田康夫氏。
また同CCでは会員権の名義書換も受け付けていることから、入会者には以前からホール数変動の可能性もあるなどの承諾書も取り付けている。
今度の治水工事で一番打撃を受けるのは川越グリーンクロスだろう。「口頭で工事延期の案内を受けました」とは、運営母体PGMの広報チーム。
会員にはすでに今年の12月31日をもって会員組織を解散して、年会費の請求も令和5年分までと案内している。つまり会員制での営業は今年いっぱいとなるが、国交省の工事延期により営業が続けられるとすれば、パブリックで運営することも視野にあるという。
ただし、当初は工事区分を除く6ホールくらいが残ることを想定をしていたが、実際、工事に入った時にどうなるかは未定。
アコーディア・ゴルフ運営のノーザンカントリークラブ錦ケ原ゴルフ場は、すでに43ホールから25ホールでの縮小営業を余儀なくされている。対岸のさくら草コースが今年9月をもって営業できなくなり、10月からはホール数を縮小した営業となる。
大宮カントリークラブは、来年1月8日をもって9ホールのくれないコースの営業を終了するが、これはすでに案内済みで、工事が延期になってもこの予定に変更はないという。災害対策のためとはいえ、ゴルファーたちでにぎわったこれらの河川敷コースが縮小ないし閉鎖となっていくのは、やはり寂しい限り。
それでも数年後、治水事業が完了後に、新たな防災機能も有した新リバーサイドコースが誕生するようなことはないだろうか。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月4日号より