同グループの2コース、鹿沼カントリー倶楽部と鹿沼72カントリークラブでは、一昨年から鹿沼市協働事業に参加し、地域コミュニティの場を提供している。
その代表例が、鹿沼72カントリークラブで2ホールを使って開催する「花火大会」。今年の5月下旬に3回目が開催され、約1000発の花火が夜空を彩った。この花火大会は地元の鹿沼さつき祭りの協賛もあって、約400人の観客が集まった。徐々に花火大会のスケールが大きくなり、地元の人たちにも周知されるようになり、今後は地元の恒例イベントとして根付いていきそうだ。
さらに同コースでは、今年2月に「こどもピッツァ作り体験」も開催。これが好評で、7月中旬には2回目の開催を決定、参加募集をかけたところ、2日間ともあっという間に定員に達した。この体験イベントは、地域ぐるみで子どもたちを育てるという取り組み。鹿沼市教育委員会が後援していることもあり、これからも定例化していくという。
関東平野一望の婚活パーティ。すでに14組のカップルが誕生
実施例としてユニークなのが、「婚活パーティ」イベント。ゴルフ場営業終了後のクラブハウスを貸し切りにして、ミニゲームやグループトーク、フリートークを実施。2階のテラス席で飲食を提供しつつ、シミュレーションゴルフ打席を利用して、初体験ゴルフなども実施した。申し込んだ人たちは鹿沼市内に勤務する男性が多かったといい、これまで3度の開催で、4組・4組・6組のカップルが誕生している。
鹿沼カントリー倶楽部では、昭和の趣を演出したテラススペースをクラブハウス2階に造り、ここへ屋台を置くなどして縁日のような空間に変えるイベントを開いた。「こういったイベントは、『ゴルフはしなくても、また来てみたくなる場所』というコンセプトで行っています」と同グループ広報部長の荒川磨理氏。
一連のイベントに対して、ゴルフ場コンサルタントの菊地英樹氏は、「都心から遠隔のゴルフ場は、集客に苦心しています。『まずは地元から』と、足元を見つめたゴルフ場経営へシフトし始めています。その動きが順調に進んでいる例ではないでしょうか」。ゴルフ場は、地域の人たちが楽しむ“エンターテインメント施設”としての側面も併せ持つことができる。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月25日号より