女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。焼き肉のタン塩が大好きという小祝さくらのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第21話は、気持ちはホットに、ゴルフはクールに、地元での初優勝。

小祝さくらは、ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ(7/6~9)で、地元北海道での初優勝を飾った。

画像: 苦手だという洋芝の対応も、この週は関係なし。ショットが切れて72ホール中54ホールがパーオンだった

苦手だという洋芝の対応も、この週は関係なし。ショットが切れて72ホール中54ホールがパーオンだった

優勝のお祝いは、まだ特にしていないが、アメリカから帰国したばかりの、仲良し、勝みなみと一緒に、ご飯に行った。

「『おめでとう』と言ってくれました。みなみちゃんお薦めの化粧品をプレゼントしてくれました。『これすごくいいから!』という感じで」

プロ入り6年、地元優勝はずっと念願だっただけに、とても嬉しかった。「やっと、という感じでした。でも開催コース(真駒内CC空沼C)は、回るのが初めてだったんです。(菊地)絵理香さんも、(宮澤)美咲ちゃんも、初めてだったみたいです」。予選同組だった3人だが、予選終了時点で菊地が8アンダー、小祝と宮澤が7アンダーで、トップ3に入る優勝争い。「たまたま、だと思います(笑)。みんな洋芝に慣れているのもあると思うし、みんな調子がよかったのが大きいと思います」。

小祝さくらも、ここ最近、調子を上げてきていた。「コースは地味に難しかったんです。フェアウェイが狭いのと、グリーンも難しくて。それに私、(北海道育ちなのに)洋芝があまり得意ではないんです。でも、セカンドショットがすごくよくて。最近、調子はよくなってきていても、何かが噛み合わなかったんですけど、今回はかみ合った感じですね」。プレッシャーは感じなかった。「決勝ラウンドになって、少しはありましたけど、でも、地元の選手同士でプレーしていたので、地元の方々の声援もたくさんあって、すごく心強かったです」。

同じ週、目標にしていた全米女子オープンがペブルビーチで開催されていた。出場できず、少し残念に思ってはいた。

「でも、出られないとなった時点で割り切って、出られないならしょうがないやという感じで。その同じ週の大会がたまたま地元北海道で開催されたというだけですね」

画像: 1年ぶりの優勝。「実感はまだない」という小祝さくら。でも、優勝カップを持つ表情が、念願の地元優勝のうれしさを物語っている

1年ぶりの優勝。「実感はまだない」という小祝さくら。でも、優勝カップを持つ表情が、念願の地元優勝のうれしさを物語っている

小祝さくらは相変わらずクールだ。その全米女子オープンでは、同じ歳の畑岡奈紗が優勝争い。こちらはネットで結果をチェックしていたという。ミネベアミツミレディスは3日目終了時点で2打差のトップに立ち、最終日も1つ伸ばして、そのまま逃げ切った。

「最終日の18ホールも、あっという間に終わっちゃいました。ラウンド中は優勝争いを感じるような余裕もなくて。とにかくプレーに集中しないといけないから。優勝を意識してプレーすることもないですし、いつもそんな感じですね」。マイペースに過ごす日常のなかに、試合があり、優勝争いがあるのだ。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月8日号より(PHOTO/Hiroaki Arihara)

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