H・アーウィンもJ・ラームも"やってしまった"
トム・ホイットニーは10センチのタップインパーを決めたはずだった。打ったあとカップインを確信しボールを拾おうと左手を伸ばした瞬間、打球はカップに蹴られ、本人がいる方向に跳ね返った。
テレビ中継の解説者が「これはゴルフ史上最短ミスパットだ」と声を上げる。下部ツアーではPGAツアーのようなショットトラッカーがないため正確な距離はわからないが、おそらく10センチ未満。仮に足に当たっていたら、以前であればペナルティが発生していた(ルールが改定され、現在は罰則なし)。
それでもホイットニーは67をマークし、予選をクリアしたのは不幸中の幸いといったところか。
短いパットを外したといえば、01年全米オープンの最終日最終ホール、50センチのパットを決めていれば優勝だったマーク・ブルックスがこれを外し、翌日18ホールのプレーオフでレティーフ・グーセンに敗れたのが印象に残る。
米ゴルフダイジェストのガイ・ヨーコム氏によると、83年の全英オープンでヘイル・アーウィンが短いパットを空振りしたのが史上最短のミスパットという記録があるらしい。
最近では昨年のアーノルド・パーマー招待で世界ランク1位のジョン・ラームが初日の7番パー3で30
センチのパーパットを外したシーンが有名。タップインしようとしたのだが、ヘッドがボールをかすめたのか空振りしたのか打球は3、4センチしか進まず、パーセーブを逃すと解説者も思わず「いったい何が起きたのかさっぱりわかりません」と首をひねった。
シニア45勝のアーウィンも世界ナンバー1 のラームもやらかすんだから、アマチュアがミスしても全然おかしくない?
※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月22・29号「バック9」より