普段はLIVでプレーしているブルックス・ケプカ。今シーズン、記録に残るツアースタッツは、マスターズ・全米プロ・全米オープン・全英オープンの4試合だが、そこでのドライバースタッツは、平均飛距離が308.2ヤード、フェアウェイキープ率は61.8%。メジャーの難コースでも、際立つ高水準。ティーショットを安定して支えたドライバーについて、スリクソンのツアー担当者に聞いた。
「当初、前モデルのZX7からスイッチしたのは、ZX7 MkⅡでした。これをしばらく使っていましたが、今年のマスターズ前、再びテストをして3月下旬にZX5 MkⅡ LSに変更しました。このモデルのほうがシンプルにドライバーショットが打てるようです。ケプカ選手は、試合ではフェードを打つことが多いのですが、ホールや風によってドローを打ちたい時もしっかりと打つことができる点と、飛距離とコントロール性を評価しています。そして、このドライバーで全米プロに優勝。『その後の試合でも、継続して気持ちよくティーショットが打てているよ』と言っています」
1WのシャフトはディアマナD。44.5インチの短尺仕様
シャフトは前モデルからずっとディアマナDリミテッドの70TX。つかまりすぎず左へのミスを嫌うゴルファー、とくに弾道を操作したい上級者に人気があり、フェードを軸に状況次第でドローも打つケプカのプレースタイルにぴったり合致している。身長は183センチあるが、先端側をカットした44.5インチの短尺仕様で使っている。
3Wは、テーラーメイドのM2ツアーHLでロフトは16.5度。ドライバーのロフトも10.5度であり、強めのハンドファーストでインパクトしていく入射角には大きめのロフトが合うようだ。ちなみにこの3Wは2017年から使っていて今年で7年目。
3Wとアイアンをつなぐ1本が、ナイキ ヴェイパーFLYプロの3I。2016年からバッグに入れ続ける愛用の一本で、番手は3番だが、ケプカはドライビングアイアンとしてティーショットでも度々使う。真っ黒のフジクラ プロツアースペックシャフトも投入時から替えていない。
クリーブランドRTXウェッジが4本。ロフト46・52・56・60度
4Iから9Iはスリクソン ZX7 MkⅡ。前モデルのZX7アイアンから同モデルのMkⅡへ順当にスイッチして使っているという。以前はPWまで入れていたが、今は9Iまでのセット。従って、ウェッジはクリーブランドの4本態勢で、PW代わりのロフト46度のみクリーブランドRTX。52・56・60度はRTX6。4本とも打点位置と重心位置をシンクロさせたZIP COREモデル。シャフトは、アイアンのX100に対して、ウェッジのみS400と軟らかめを入れている。アイアンよりも一段軟らかいフレックスを挿すのは、スコッティ・シェフラー、ジョーダン・スピース、リッキー・ファウラーなども同様で、使い道を考えれば理に適った選択だ。
ボールはスリクソンZスターダイヤモンド。「以前は風に負けない強い弾道を気に入ってZスターXVを使っていましたが、最近はダイヤモンドです。自身でスピンをかけてボールをコントロールしやすい点を高く評価していて、3度目の全米プロ優勝にも貢献してくれました」(同担当者)
パターはスコッティ・キャメロンのテリリウムTNP2。数年前から軟らかな感触で銅色のテリリウムインサートのパターを使っているケプカ。このテリリウムTNP2は昨年からの使用で、おそらくこのパターはその2代目モデル。
契約外の3Wと3Uは長年の愛器
1W/スリクソン ZX5 Mk2 LS(10.5度)・ディアマナD Limited 70(TX)
3W/テーラーメイド M2 ツアーHL(16.5度)・ディアマナD+80(TX)
3U/ナイキ ヴェイパー FLYプロ(19度)・フジクラ プロツアー スペック95(X)
4I~9I/スリクソン ZX7 MkⅡ・DGツアーイシュー(X100)
GW/クリーブランド RTX ZIPCORE(46度)・DGツアーイシュー(S400)
AW~LW/クリーブランド RTX6 ZIPCOREツアーラック(52・56・60度)・DGツアーイシュー(S400)
PT/スコッティ・キャメロン テリリウムTNP2(3度)
BALL/スリクソンZスター ダイヤモンド
※スペックとスタッツは8月15日時点
※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月15日号より(PHOTO/Blue Sky Photos、Tadashi Anezaki)