PGAツアーのアジア圏マーケティングディレクター、コーリー・ヨシムラさんによるツアーホットライン。PGAツアーの中でも、とりわけ気さくなトニー・フィナウのプライベートラウンドに同行する機会を得たコーリーさん。フィナウのナイスガイぶりと、トッププレーヤーの凄さの両方を堪能するゴルフとなりました。

8月のプレーオフシリーズを目前に控えたある日、トニー・フィナウと彼の11歳の息子ジェイレイス君とゴルフをする機会に恵まれました。舞台は彼の地元、ユタ州のアルパインCC。3人でプレーする予定でしたが、練習グリーンでジェイレイス君と同じ年頃のブレイク君を見つけ、「一緒にプレーしないか」とフィナウが声をかけました。各ホールに10ドルを賭けたスキンズマッチ。私もパープレー前後で回るのですが、ツアー6勝のトッププロと、大人顔負けのジュニア相手では圧倒的に不利。ドライバーはフィナウの100ヤード後ろ、ジュニアたちと比べても10〜20ヤード飛びません。財布が空っぽになるのを覚悟でスタートしました。

画像: シーズン2勝を挙げ、レギュラーシーズン終了時のフェデックスカップポイント10位で「コムキャストビジネスツアー・トップ10」のボーナス100万ドルを手にしたトニー・フィナウ。PGAツアーを代表するトップ選手となったが、親しみやすい気さくな人柄は変わらない

シーズン2勝を挙げ、レギュラーシーズン終了時のフェデックスカップポイント10位で「コムキャストビジネスツアー・トップ10」のボーナス100万ドルを手にしたトニー・フィナウ。PGAツアーを代表するトップ選手となったが、親しみやすい気さくな人柄は変わらない

3番ホールでフィナウ一家と親しい、ユタ工科大学2年のK・C君が合流し、ますます不利な状況に。しかし、フィナウ本人は自分のプレーより息子をコーチすることに集中していました。5番で息子がグリーン手前のバンカーに打ち込みライは目玉。すると父は「こういうときはフェースを開いてはいけない。クローズでボールの手前にヘッドを打ち込む。砂がボールを押し出すイメージで打ってみて」とアドバイス。するとジェイレイス君は、父の指導した通りフェースを閉じて砂を強打。飛び出したボールは、ピンそば数十センチにピタリと止まりました。これはほんの一例で、ラウンド中、親子のセッションは続きました。

たとえば、息子が球を曲げて林に打ち込むと、木々の隙間を父が見つけ、そこを通して打ちやすい場所に刻むよう指導。息子は忠実に従い見事にピンチを脱出するのです。そして最高のお手本も。後半のパー5で父は残り243ヤードを4番アイアンでヒット。快音を響かせた打球は乾燥した砂漠の空気を引き裂き、グリーン手前に落ちると2バウンドでカップに飛び込みました。アルバトロスを目の前で見たのは人生初。フィナウにとっては「6回か7回目」というからさすがです。

画像: この日、パー5の2打目をカップインしてアルバトロスを達成して、記念のポーズ。「6回か7回目だよ」とフィナウ

この日、パー5の2打目をカップインしてアルバトロスを達成して、記念のポーズ。「6回か7回目だよ」とフィナウ

最終18番ホールで、私は3メートルのバーディを決め、ダブルスキンを獲得しましたがトータルでは50ドルの負け。それでもお金に代えられないプライスレスな経験をさせてもらいました。フィナウのような〝良い人〞が世界のトップにいるのは我々の誇りです。

※PGAツアーはBSJapanext(BS放送)、ゴルフネットワーク(CS放送)、U-NEXT(動画配信サービス)で、LIVE中継が見られます。※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月5日号より(ARRANGE/Mika Kawano)

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