1961年、カリフォルニア州のグレンデールに生まれたスコッティ・キャメロンは、幼少時から父にゴルフとクラブ作りを学び、ツアープロを目指す。しかし、プレーヤーとしての限界を感じ、断念。1986年にクラブメーカーのレイクック社に入社して、パターのデザインやツアープロモーションに携わることとなった。その後、1991年に独立。小さなガレージで、パターメーカー(職人)としての道を歩み始める。
1993年、B・ランガーがキャメロンのパターでマスターズ優勝。伝説が始まる
当時、スコッティは、足しげくツアーに通い、多くのプロと会話を繰り返し、彼らに望まれるパター作りに邁進した。そのときの経験が今に生きているのだと、スコッティは語る。1993年、そんなスコッティに大きな転機が訪れる。ベルンハルト・ランガーが、彼の作ったパター『クラシックⅠ』を使い、マスターズに優勝したのだ。
そのニュースは瞬く間に広まり、スコッティの名は、世界中に知られることとなる。現在に至る、キャメロン伝説の始まりだった。
現在はファントムX愛用者が増殖中
1993年のマスターズ制覇から30年経った今。スコッティキャメロンといえば、ブレードタイプの『ニューポート』や『ニューポート2』に注目が集まりがち。しかし、いま日本ツアーでは、ファントムXシリーズの使用者が増えているという。現状を聞いた。
「パトリック・カントレー、ジャスティン・トーマス、マックス・ホーマなどが実績を残してきた流れで、日本ツアーでもファントムXを使うプロが増えています。ヘッド形状やネックなど、バリエーションが豊かで、さまざまなプレーヤーの好みに応えられるところも人気の秘密と言えるでしょう」(アクシネットジャパンインク・スコッティキャメロン ツアー担当・澤氏)
選ぶときのポイントは? 「ブレードタイプを使ってきたけれど、もう少し安定感が欲しいという人は、インサイドイン軌道で打ちやすいショートネック、ストレートに近いゆるやかなインサイドイン軌道で打ちたい人はベントネックやストレートネックが合います。ヘッド形状は、いろいろ試して、自分がイメージを出しやすいものを選べばいいのではないでしょうか」(前出・澤氏)
日本ツアーでのユーザーに聞いてみると…。「試しに打って、すぐコレに決めました」(堀川未来夢/ファントムX 6Sプロト)。「マレットでカッコいいと思えるのはキャメロンだけ」(中西直人/ファントムX 5プロト)。「構えやすくてミスヒットに強いのが気に入ってます」(内藤寛太郎/ファントムX 11.5プロト)。「据わりの良さと打感がいいんです」(坂本雄介/ファントムX 7プロト)。
最近、ローリー・マキロイも試合で使用して話題になったファントムX。マレット購入予定の人は、一考の価値アリか?
※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月12日号、9月19日号より(PHOTO/Takanori Miki、Kiyoshi Iwai、Kazuya Hirosawa、Blue Sky Photos、Shinji Osawa 取材協力/スコッティキャメロン ゴルフギャラリー ジャパン)