左に行かず、上がりすぎない。1Wも3WもUTも、それが要望
「とにかく左に行かないことと、球が上がりすぎないこと、これが私にとってとても大事な要素で、それをもとに組んでもらったドライバーです」と本人。
ダンロップの担当者は、「今年の開幕前、高さを抑えたいと要望があって、それに応えるヘッドをいくつか用意した結果、LSのロフト8.5度になりましたが、やや立ちすぎでもあったので少し(8.9度前後)寝かせています。それでも、以前のドライバーより約1度立っています。9.5度を立てることも検討しましたが、ロフトを立てるとフェース面が右を向いてアドレスに違和感が出そうだったので、結果的にこれになりました」。シャフトはディアマナのGT。三菱ケミカルのレップに聞いた。
「ドライバーのシャフトは左に行かないモノが本人の希望でした。その性能の中で最も直進力の高いのがGTでした。手元と先がしっかりしていて、真ん中が軟らかいので、真ん中から先にかけて走る感じはありますが、先がしっかりしているので、左への巻き球は出にくい。走りながらも最後の最後は粘ってくれる、そんなシャフトですね。ディアマナの中では飛距離が出るモデルです」。シャフト重量は60グラム台、フレックスはS、長さは45.25インチ。
3WもスリクソンZX MkⅡ。ロフトは15度だが、「3Wも弾道の高さを抑えたいとのリクエストで、1度弱立てています」(ダンロップ担当者)。こちらのシャフトはテンセイプロホワイト1Kだ。
アイアンはスリクソンZX5 MkⅡ。「アイアンは顔が大事で、大きすぎず小さすぎでもないZX5の顔がぴったりで、打つとすごくやさしいところもお気に入りです」(櫻井)。「シャフトは前々から950GH neoで、いろいろ試しても結局これです。彼女のポテンシャルだともう少しハードでも良いのですが…」(担当者)
2本のUTもスリクソンZX MkⅡだが、番手でシャフトが違う。「22度の4UはもともとスチールだったのでそのままN.S.プロ950です。その上は、本来は5Wで高さを抑えるスペックが希望でしたが、それが現実的に難しく、代用として3Uになりました。こちらは楽に強い球が出るようにカーボン(テンセイプロ)です」(担当者)
58度はトウヒットの癖に合わせた、全面スコアラインのウェッジ
ウェッジは46度・52度・58度の3本態勢。58度のみクリーブランドRTX FULL-FACEを使う。「昔、トウに当たっちゃう癖があって、何でだろう? と思っている時期があって『いっそここに溝があったら』と選んだのがコレです(笑)。今では真ん中に当たるようになりましたが、上げるのが好きなので、上げやすい顔の見た目がお気に入りで、今もフルスコアラインを使っています」(櫻井)
パターのみダンロップ以外で、テーラーメイドのTPトラスヒールを愛用。「他のパターもたくさん試しましたが、一番自信を持って構えられて、ストロークしやすいのがこのトラスなんです。私には最強のパターです」(櫻井)。ボールはスリクソンZシリーズの中で、アイアンショットでスピンが最もかかるダイヤモンドを使用。
パター以外は“ダンロップ”
1W/スリクソンZX5 MkⅡ(8.9度)・ディアマナGT(60S)
3W/スリクソンZX MkⅡ(14.1度)・テンセイプロ ホワイト1K(60S)
3U/スリクソンZX MkⅡ(19度)・テンセイプロ 1Kハイブリッド(80S)
4U/スリクソンZX MkⅡ(22度)・N.S.プロ850GH(S)
5I~PW/スリクソンZX5 MkⅡ・N.S.プロ950GH neo(S)
GW・AW/クリーブランドRTX6 ZIP CORE(46度・52度)・N.S.プロ950GH neo(S)
SW/クリーブランドRTX FULL-FACE(58度)・N.S.プロ950GH neo(S)
PT/テーラーメイドTPハイドロブラストJUNO TB1 トラスヒール(3度)
BALL/スリクソンZスター♦(ダイヤモンド)
※スペックは編集部調べ ※1Wのロフトは8.5度→8.9度、3Wは15度→14.1度 ※スペックとスタッツは9月14日時点のもの
※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月19日号より(PHOTO/Shinji Osawa)