「このウェッジは2024年から使えません」。グリップ交換に行ったショップで申し訳なさそうに言われる。亡き父が「こいつは名器だ」と譲ってくれた激スピンウェッジ、フォーティーンMT28。2010年からの溝規制が、猶予期間を過ぎ全ゴルファーが対象になる。難しいけどハマった時は気持ちいいウェッジだった。「オススメありますか?」と聞いたらいろいろ候補を上げてくれ、試打して抜群だったのがフォーティーンDJ-6ウェッジ。
「アマチュアのミスはトップかダフリがほとんど。トップはソールでは解決できませんが、ダフリのミスに強さを発揮する‟グランドキャニオンソール”が効きます」という。確かに少し手前からヘッドが入っても、ボールにしっかり当たる。‟バンパーソール”が適度にヘッドを地面に入り込ませながら、‟キャニオンバウンス”がしっかり地面を受け止め、深く潜らせずボールを前に押し出してくれる。
W逆テーパーブレードとシアターブレード構造を組み合わせヘッドの重量配分を最適化。ブレードトップトウ側とソール後部に重量を配分し、インパクト時の安定性が高いとのこと。軟鉄(S20C)の採用も打感の向上に繋がっている。ルールギリギリの溝形状を追求した‟新ハイスピンミラー鍛造フェース”は、ラフでも雨でも激スピンだ。
芝の上から打ってみると、私の不安定な軌道でもお構いなしに激スピンをかけてくれる。シャフトもタイミングが取りやすく、トップのミスが減った。お店の人が「DJシリーズはアマチュアがよりやさしくプレーするために開発されている」と言っていたことを思い出す。トップさえ気を付ければいいからアプローチが楽ちん。アプローチにムラがあった父がコイツを手にしていたら、シングルになれたかもしれない。「父さん、俺が代わりにコイツでシングルになる!」と言いたいけど、まず90切りから。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月24日号より(TEXT/Motoharu Tajima PHOTO/Takanori Miki)