スコッティキャメロンといえば、ツアーパターの『サークルT』が有名だが、ほとんど流通していないものの『サークルL』というスタンプも存在する。これは元々、デザイナーであるキャメロン氏が、友人や知人のために遊び感覚でデザインしたもので、ロゴの‟L”は‟Loser(ルーザー)”。つまり、敗者を意味している。
ゴルフというゲームは、ひとたび試合を行えば、多くの敗者が生まれる。ある意味、ほとんどのプレーヤーは、それに甘んじることになるわけだ。
キャメロン氏は、そこに光を当て、このパターを親しいプレーヤーに譲り渡していた。しかし、心優しい妻のキャシーさんは、「ルーザー」という言葉はあまり好ましくないと感じてしまう。それを知ったキャメロン氏は、このロゴを刻印することをやめたのだという。
市場ではめったにお目にかかれない、サークルLのスタンプ。そのパターを手にする日を夢見て、マニアたちはただ果てしなく垂涎の想いに駆られる。
タイガーのイメージで作ってもらいました。
国内ツアーで7勝を挙げている今野康晴も、大のキャメロンマニア。今野のコレクションの一部を見させてもらいつつ、説明してもらった。
「ボクの一番のお気に入りは、2000年頃に作ってもらったニューポート2 GSSのツアープロトタイプです。これは、『タイガーと同じイメージで作ってください』とお願いしたもので、優勝こそないものの、形が一番好きで、試合でもよく入ったパターです」(今野・以下同)
「ほかにも打感や重さの違うニューポートタイプのもの、ニューポート2タイプのものを何本か持っています。なかには見た目がほとんど変わらないものもありますが、ボクのなかでは、構えた印象もフィーリングもまったくの別物。このなかから、そのときどきの調子に合わせて、一番イメージが出るものを選んで使っているのです」
「ボクがキャメロンを選ぶ最大の理由は、そのカッコよさ。次が打感、フィーリングなどの実用性です。学生の頃、初めて市販モデルのニューポートを買ってから27年が経ちましたが、これからもキャメロンを使い続けたいと思っています」
※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月10日号、10月17日号より(PHOTO/Takanori Miki THANKS/スコッティキャメロン ゴルフギャラリージャパン、京葉CC)