この数字を見ると一抹の寂しさを覚える方も多いでしょう。タイガーは35歳だった2011年12月以降の12年間で108試合しか出場していません。5回目のマスターズを制しメジャー通算15勝目を挙げた2019年4月以降は21試合の出場にとどまり、優勝はZOZOチャンピオンシップの1回、トップ10入りは2回。ここ3シーズンのベストフィニッシュは38位タイという状況です。
右足の手術を受けた今年4月以降、競技から遠ざかっていること、さらに年末には48歳になることを考えると、事実上タイガーが競技生活からリタイアしているのは誰の目から見ても明らかです。しかし、これらの現実を嘆き悲しむのはまだ早いかもしれません。なぜなら彼は今、これまで以上にゴルフに時間を費やしており、様々な理由で世間の注目を集め続けると思われるからです。
彼が今後、生み出すレガシーは確かに世界中のゴルフファンを熱狂させた頃ほどワクワクするものではないかもしれません。でも彼の物語は必ず続きます。
PGAツアーでは、ポリシーボードのプレーヤーディレクターに任命されておりLIVゴルフとの交渉において大きな役割を担っていくはずです。
またローリー・マキロイと共同で設立したスポーツメディアエンターテインメント会社『TMRWスポーツ』はPGAツアーと提携し、最新のテクノロジーを採用した画期的なゴルフリーグ『TGL』を発足。すでにトッププロの多くが参加を表明し、ジャスティン・ビーバーら著名人からの資金支援も確保しています。
「大のスポーツファンとして他のスポーツ同様、ゴルフとテクノロジーとチーム戦の要素を融合させるのが楽しみです。すべてのプレーやアクションを目の前で見られる興奮を皆さんに届けたい」とタイガー。
とはいえ、我々が期待するのは彼がコースに立つ姿です。希望的観測では、11月にバハマで開催される自身のイベント『ヒーローワールドチャレンジ』での復帰、あるいは12月のPNC選手権にチャーリー君とともに4年連続出場の可能性が考えられます。
もしかすると今後はチャーリー君の指導者としての立場がメインになるかもしれません。次回は親子の歩みにスポットを当てます。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年11月14日号より(ARRANGE/Mika Kawano PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Blue Sky Photos)※PGAツアーはBSJapanext(BS放送)、ゴルフネットワーク(CS放送)、U-NEXT(動画配信サービス)で毎週LIVE中継が見られます。