恰好よくて、やさしい見た目
3モデルが発売されているミズノの最新アイアン『Mizuno Proシリーズ』。前々回、前回と紹介してきたが、今回は最後となる『MizunoPro 245(以下・245)』を紹介する。
計測は7番のヘッドとクラブ(シャフトは『ダイナミックゴールド95 ・S200』仕様)で実施し、数値はすべて実測値となる。クラブ長さが36.75インチとやや短いが、クラブ重量は418.0gとやや重いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが269万g・㎠とやや大きくなっている。この数値だとドライバーのヘッドスピードが44m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れる設計と言えるだろう。
中空ヘッドながらもヘッド背面はマッスルバックの『Mizuno Pro 241(以下・241)』のような格好いい雰囲気を持ち、また、『Mizuno Pro 243(以下・243)』よりもフェース長が長いので、やややさしいイメージも出ている。フェースプログレッション(FP値)が3.9ミリと『243』よりも少し小さく、少しグースネックのイメージだ。また、『243』よりもトップブレードは厚いが、逆にソール幅は少し狭いのも面白い特徴だろう。
「241」「243」よりつかまるイメージ
実際に試打したところ、まず『241』や『243』よりもフェースのトウ側が高く、『241』や『243』ほど、アドレスでの見た目のフラット感はない。試打シャフトはスチールとしては軟らかさがあり、このシャフトならヘッドスピードが40m/sくらいのゴルファーでもスウィングしやすいはずだ。フェース面の素材は軟鉄よりも硬いクロムモリブデン鋼なので打感は硬く、また『243』と違い、インパクト音は高い。その分、フェース面の弾き感はいい印象だ。
一般のアベレージモデルよりもヘッドは小ぶりなので、夏のラフからのヘッドの抜けは問題なく、重心距離は37.2ミリとやや短く、結果ネック軸回りの慣性モーメントも5183g・㎠とやや小さいので、ダウンスウィングでのヘッドの操作性は良く、インテンショナルに弾道を操れそうだ。
フェース面のスイートスポット(SS)位置は、『241』のようにフェース中央よりもややヒール寄りなので、ダウンスウィングで球をヒール側に引きつけて打てる、フェード系プレーヤーに向いている。
左右方向のヘッド慣性モーメントは2257g・㎠と『243』よりも小さく、ミスヒットに強いヘッドではないが、ストロングロフトと弾き感のあるフェースで、『243』よりも飛距離を求めるゴルファーに合っているだろう。
これが「Mizuno Pro 245」アイアンの計測データだ
フェースプログレッションは3.9ミリと標準的。『Mizuno Pro 243』に比べて少しグース感のある顔で、かつフェースのトウ側が高いので構えたときにフラットな印象を受けず、『Mizuno Pro』のなかではつかまるイメージがある。
リアルロフトは29.6度と小さい。7番で30度を切るロフト角なので、一般的にはストロングロフトといえる。バウンス角が5.1 度とやや大きく、ダウンブロースウィングに向いている。
重心距離37.2ミリ。スイートスポット位置でわかるようにヒール寄りの重心設計。どちらかといえば球を引きつけて打てるフェード系プレーヤーに向いている。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年11月21日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より