4大メジャーの1つ、マスターズが開催されるオーガスタナショナルGCは、超高速グリーンとして知られる。試合当日、発表こそしないのだが、スティンプメーターで計測すれば14フィート前後に上ると推測されており、いわば14フィートというスピードは、ガラスのグリーンの象徴だろう。
画像: 超高速グリーンで定評の高いカレドニアンGC(photo/Hiroyuki Okazawa)

超高速グリーンで定評の高いカレドニアンGC(photo/Hiroyuki Okazawa)

ガラスのグリーン、“14フィート”を巡る攻防戦の物語

この14フィートに挑戦というイベントを催したのは、兵庫県にある高室池GC。同GCは普段から10フィート超えの日もあるといい、高速グリーンを売りにしているが、このたび初めて14フィートグリーンを造り、4日間の期間限定でイベントを行った。

その前にグリーンの速さを測る方法を簡単に。溝のついたレールにボールを入れ、ボールが転がる高さまで上げて転がった距離を測り、逆方向からも転がすことで平均値を出す。長く転がるほどグリーンは速いということになるが、高速グリーンを造るには、芝の芽数の細密さや葉先の細さ、そして刈り高、硬さ(コンプレッション)などの要素が満たされてこそ実現する。ちなみに国内男子ツアーの平均値は10~12フィートといわれている。

「コース管理者からは反対されましたが、決行しました。期間中2日雨が降り、最初の日は午前中が雨で14フィートまで出ませんでしたが、午後からは実現。パー3のホールにはフォアキャディを付けたので、6パットした方も出たものの進行面では問題なく、海外からのお客様も10組入り、最終的に最大15組のキャンセル待ちが出るほど好評でした。来年開催の試合でも実現させようと思っています」(同GC支配人、辰巳征之氏)

こんな超高速グリーンに2014年から挑戦し続けているのが千葉県にあるカレドニアンGC。12月から4月には14フィートの速さが達成されるとメディアに公開され、競技志向のゴルファーが押し掛ける。アスリートの会員が多いのもうなずける話だ。今年4月4日にもグリーン刈り高2.9ミリ、コンパクション24で14フィート達成との告知を発信。さらにこの超高速グリーンを常態化しようと、昨年“14フィート特別研究室”なるものを設けているというから頭が下がる。

「“オンリーワンのゴルフ場を”というのが当コースのテーマでして。温暖化のなか、ベント芝をどう科学的に改良していくかということで研究室を設立しました」(同GC広報、小田切猛氏)

超高速グリーンを売りにする2クラブの挑戦はまだ続きそうだ。

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