パター以外は変更せずシーズン完走
リコーカップと、8カ月前の開幕戦ダイキンオーキッドレディスのセッティングを比べてみると、シーズン中、クラブをほとんど替えていなかったことがわかる。
唯一、スイッチしながらプレーしたのがパターだ。5勝のうち、4月の富士フイルム・スタジオアリスと11月のリコーカップの2勝が、大阪の工房系ブランド、スクワッドのプロトパター。
5月のブリヂストンレディスとリゾートトラスト、6月のニチレイレディスの3勝がオデッセイのホワイト・ホットOG 2ボール ブレード。ヘッド形状は異なるが、どちらもクランクネックなのは共通点。
開催コースごとの使用から推察すると、開幕戦の沖縄もスクワッドで、コウライ芝や、たとえベント芝であっても芝質にクセがあるグリーンは、小ぶりマレットのスクワッドでしっかりヒット。素直な芝質の高速グリーン系は安定感の高い2ボールブレードで、と使い分けていた様子。夏場に別のパターを使うこともあったが、5勝はこの2モデルによる結果だった。
ドライバーはスリクソンZX5 MkⅡ。市販にはないロフト8.5度をネック調整で9度に寝かせたヘッドと、スピーダーNXシャフトの組み合わせは、開幕から最終戦まで変更せずに完走。ドライビングディスタンスは238.3ヤード(53位)、フェアウェイキープ率は79%で1位、トータルドライビングは5位。
スリクソンZX MkⅡの3Wと5W、ZX5 MkⅡの6I~PWも、シャフト含め1年間変更なく使っていた。
2本のUTは、スピーダーTRのシャフトで開幕を迎えていたが、ヘッドはそのままで「スピン量をもう少し増やそう」と、3戦目のTポイント × ENEOSからベンタスブルー HBを挿し、シーズン終了まで通した。信頼するギアでシーズンを乗り切れたこと、それも安定した強さを後押しした。
山下美夢有の14本スペック
1W/スリクソン ZX5 MkⅡ(9度)・スピーダーNX(50SR・45インチ)
3W/スリクソンZX MkⅡ(15度)・スピーダーNX(50SR・43インチ)
5W/スリクソンZX MkⅡ(18度)・スピーダーNX(50SR・42インチ)
4U・5U/スリクソンZX MkⅡ HB(22・25度)・ベンタス ブルーHB(7-S・38.5・39インチ)
6I~PW/スリクソンZX5 MkⅡ・DG85(R300)
GW/クリーブランドRTX 6 ZIPCORE(47度)・DG85(R300・35インチ)
AW・SW/クリーブランドRTX 6 ZIPCORE(52・58度)・DG95(R300・34.75・34.5インチ)
PT/スクワッドパター プロトタイプ(3.5度)
PT/オデッセイ ホワイト・ホット OG 2ボール ブレード(3度)
BALL/スリクソン Zスター XV
※スペックは編集部調べ ※1Wはロフト8.5度をネック調整で9度。GWは48度を1度立てて47度 ※スペックとスタッツは12月20日時点
※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月26日号より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Tadashi Anezaki)