アイアンショットでちょうど番手と番手の間の微妙な距離を打ちたい、という状況は少なくないだろう。ABEMAツアー賞金王・生源寺龍憲が教える、ボール位置を工夫して微妙な距離の打ち分ける方法を、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

スウィングは変えず「ボールの位置」で打ち分ける

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。アイアンショットで大事なのはやはり距離感だと思うわけですが、中途半端な距離が残ったときってのが本当に難しい。例えば7番では大きすぎるけど、8番では短いって距離ですね。これをどっちのクラブで打つのか、どう距離を調整するのかってのが本当に難しい。距離を調整しようとするとミスする確率が上がるんですよね。週刊ゴルフダイジェスト1/23号に「アイアンは”キャリー距離”が一番大事」という記事があって、そのなかに微妙な距離の打ち分け方が載っていたのでやってみました。

画像: 週刊ゴルフダイジェスト2024/1/23号で特集されていた、アイアンの微妙な距離の打ち分け方を実践!

週刊ゴルフダイジェスト2024/1/23号で特集されていた、アイアンの微妙な距離の打ち分け方を実践!

この記事で解説をしてくれているのは2023年のABEMAツアーで賞金ランク1位になり、アイアン名人と言われている生源寺龍憲プロ。生源寺プロによると、アイアンで大事なのはボールが止まった位置までの距離ではなく、着弾地点までのキャリー距離だということです。バンカーや池などのハザードを回避するためには、キャリー距離がわかっていないとダメなんですよね。なので、このキャリー距離がショットをするときの物差しにになるわけなのですが、アマチュアはこのキャリー距離を把握している人が少ないそうなんです。

そして、その物差しになるキャリー距離が把握できてくれば、次に必要なのは微妙な距離の打ち分けです。いわゆる「ビトゥイーンの距離」ってやつですが、これの打ち分けが本当に難しい。しかしアイアン名人の生源寺プロは、その打ち分けで「スウィングは変えない」そうなんです。同じスウィングで距離を打ち分ける? そんなことができるのでしょうか。実は生源寺プロはボール位置を変えるだけで距離を打ち分けているということなんです。

具体的には、普段のボール位置を中心に、ボール1個分動かすことで距離の打ち分けをしているそうです。

画像: ボールを左右に1個分動かすことで距離を打ち分ける

ボールを左右に1個分動かすことで距離を打ち分ける

普段のボール位置よりも、ボール1個内側(右足より)にすることで、低く強めのドローボールになるために、キャリーはほぼ変わらないもののランが増えて、結果的に5ヤードほど飛ぶということなんです。そしてボール1個外側(左より)にすると、フェード要素が強くなりキャリーが減ることで5ヤードほど距離が落ちるそうなんです。もし僕たちもボール位置を変えるだけで飛距離のコントロールができるのなら、こんなにラクなことはないですよね。

画像: 基準の位置(真ん中のボール)よりも右に置くと距離が伸び、左に置くと距離が落とせる

基準の位置(真ん中のボール)よりも右に置くと距離が伸び、左に置くと距離が落とせる

もう一つポイントは、打ちたい球に応じて「見る場所」を変えること。低いドローを打つときにはボールの左側を見ながら打つ。そして高いフェードで飛距離を落としたいときはボールの右側を見ながら打つと良いということです。

画像: ボールの位置を変えるのと同時に、ボールの見る位置を意識するとさらに打ち分けやすい

ボールの位置を変えるのと同時に、ボールの見る位置を意識するとさらに打ち分けやすい

さっそく計測のできる練習場で僕にもできるのか試してみました。まずは基準になるいつものボール位置で打ってみました。僕はフェードヒッターなので、普通に打つと落ち際にほんの少しだけ右に曲がる球が出ます。7番アイアンを使って計測しましたが、7~8球ほど打っての平均飛距離は138ヤードでした。練習場のボールなので、少し距離が落ちている感じがしますが、冬だしこんなもんなのかもしれません。弾道の高さは28ヤードでした。

次に内側にボールを置いて打ってみました。いつもよりボールが右になる分、最初はプッシュアウトっぽいミスが出ましたが、数球打つと慣れてきました。フェードヒッターなので綺麗なドローにはなかなかなりませんが、ほぼストレートか、最後にほんの少し左に曲がる球が打てました。最初の大きなミスを除いての7~8球の平均飛距離は142ヤード。基準のボール位置よりも4ヤード伸びました。弾道の高さは25ヤードだったので、狙い通り低くなってますね。正直、こんなに上手くいくとは思いませんでした。ただ、右プッシュのミスは致命的なので、ある程度練習は必要ですね。ボールの左を見るというのもなかなか良いような気がします。

そして外側にボールを置いて打ちました。いつもよりもボールが右なので、体が突っ込んでしまわないように注意が必要ですが、上手く打てるといつもよりも少し曲がりが多めのフェードになります。目標よりも左に飛び出して、目標方向に戻ってくる感じ。ただ、曲がり幅が多く、目標よりも右にいってしまうこともありました。7~8球の平均飛距離は135ヤード。基準のボール位置よりも3ヤードだけ距離が落ちました。僕は元がフェードヒッターなので、飛距離があまり変わらなかったのかも。ドローヒッターならもっと距離が変わるのかもしれません。弾道の高さは28ヤードと、基準のボール位置のときと同じでした。ボールの右を見ながら打つとボールが上がるイメージが出るので、これもなかなか良さそうです。

結果的にボール位置を変えることで、微妙な飛距離の打ち分けができました。ポイントはボール位置がかわっても、なるべく同じスウィングをすること。打ち方が変わってしまうと、せっかくのシンプルな打ち分け方の意味がなくなってしまいますからね。シンプルな打ち分け方といっても、そうそう上手く打てるわけではないので、練習場でしっかりと練習して、ミスの幅を少なくしていかないとダメでしょうね。その場合、練習場のボールのラインやロゴなんかを利用するとやりやすいと思いました。ドローのときには左に目印が来るようにして、フェードのときには右に目印が来るようにして打ちます。それで慣れてくると、目印なしで打つと良いのではないでしょうか。

画像: 練習場ではボールを見る位置にマークやロゴを合わせて練習すると効果的

練習場ではボールを見る位置にマークやロゴを合わせて練習すると効果的

この練習をやってみて思ったのは、上手く打てるようになってくると、ドライバーショットにも応用できるな~ってこと。狭いホールで絶対に曲げたくない方向がある場合なんかは、この打ち方でそれを回避できたりするんじゃないでしょうか。アイアンでなれてきたら、ぜひそういう練習もしてみてください。

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