女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。そのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第33話、深い海が苦手でサメも怖い。なのになぜか楽しそうに語った“ケージダイビング”体験。
画像: こいわい・さくら。1998年北海道生まれ。ニトリ所属。8歳でゴルフを始め、17年プロテスト合格。19年初優勝、20-21年5勝で最後まで賞金女王を争う。22年2勝、23年1勝、通算9勝。「今年の目標は複数回優勝。そのためのオフを過ごしています」

こいわい・さくら。1998年北海道生まれ。ニトリ所属。8歳でゴルフを始め、17年プロテスト合格。19年初優勝、20-21年5勝で最後まで賞金女王を争う。22年2勝、23年1勝、通算9勝。「今年の目標は複数回優勝。そのためのオフを過ごしています」

小祝さくらは、スポーツ観戦が大好きである。でも、どのスポーツもルールはほとんど知らない。たとえば昨年、女子プロ仲間とよくプロ野球観戦に行ったが、野球のルールはあまり知らない。最初の頃は、「ピッチャー」「キャッチャー」ではなく、「投げる人」「捕る人」と呼んでいた。

「いまだにわからないんですよ。4番の人は守備はやらない人だと思っていましたし、キャッチャーが打つのも最近知りました。アイスホッケーも好きだったけどルールは知らない。見るのが好きなんです。それでもいいんですよ。雰囲気を味わうのが楽しいんです」。ルールを知っているのはゴルフだけだ。

昨年末、スポーツ大好きなさくらをホスト役に、パリオリンピック金メダルを目指すプロサーファーの五十嵐カノア選手との対談が行われた。最初は、「五十嵐選手、裸足で来るんですかねえ……5カ国語話せるなら、英語で返そうかなあ」などと、緊張を隠すためか、面白い言葉を連発していたさくら。

画像: 昨年末、プロサーファー五十嵐カノア選手との異世界アスリート対談企画で。カジュアルウェアでのツーショット

昨年末、プロサーファー五十嵐カノア選手との異世界アスリート対談企画で。カジュアルウェアでのツーショット

「それにしても世界中回ってるから、めっちゃ疲れますよね。海って疲れるし。私はビーチに行っただけで疲れるので。日差しもあるし、疲労感はすごいじゃないですか。そんな中で毎日サーフィンしている。たぶん、体力は半端ないと思います。でも私、実は海が苦手なんです。サメが致命的にダメで……映画の『ジョーズ』とか見たら怖くて」と言いながら、一度ハワイでサメを見るツアーに参加したことがあるという。〝あまのじゃく〟さくらだ。

「檻(おり)みたいなものに入って、餌を出してサメをおびき出すんです。一応普通にでっかいサメが来るんですよ。何十匹もいるんです。でもそれはそんなに怖くはないんですけど、海が深いから怖くて。もしその檻が壊れたらって。半袖と短パンで入るんですよ」とちょっと楽しそうに語る。

対談のとき、カノア選手にもその話をすると、「ああ、ケージのダイビングね。僕もやろうと思ったことがあるけど、怖くてできなかった」と笑いで返された。なにせ、サーフィン最中に、海のなかでサメを見たことがあるというカノア選手である。

画像: ゴルフウェアバージョンの2人。「ちょっと見つめ合って」とのカメラマンの注文に、なぜか「面白いですよね」ととぼけるさくら。カノア選手の自前のサーフボードの素材や値段もしっかり聞いていました

ゴルフウェアバージョンの2人。「ちょっと見つめ合って」とのカメラマンの注文に、なぜか「面白いですよね」ととぼけるさくら。カノア選手の自前のサーフボードの素材や値段もしっかり聞いていました

食べることが大好きだという話は一致して盛り上がったが、好きな食べ物に関しては、「私はお肉、牛タンが好きなんです」というさくらに、「今まではすごく牛タンが好きだったんですけど、最近はあまり好きじゃなくて。なんだかタンのイメージが……」というカノア選手。魚介類も苦手だというカノア選手に、対談前、焼き魚が食べたくて、近くの定食屋で「銀だら定食」を食べてきたことは、口に出せなかった。「すごくストイックな方でした。そして、思った以上にしゃべってくれる方で、思った以上にゴルフが好きなんだと思いました」と対談後に語ったさくら。

そんなさくらは、3月の開幕戦に向けて、今年も充実したオフを過ごしている。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年2月6日号より(PHOTO/Satoru Abe・モノクロ、Tadashi Anezaki・コース)

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