小祝さくらは、スポーツ観戦が大好きである。でも、どのスポーツもルールはほとんど知らない。たとえば昨年、女子プロ仲間とよくプロ野球観戦に行ったが、野球のルールはあまり知らない。最初の頃は、「ピッチャー」「キャッチャー」ではなく、「投げる人」「捕る人」と呼んでいた。
「いまだにわからないんですよ。4番の人は守備はやらない人だと思っていましたし、キャッチャーが打つのも最近知りました。アイスホッケーも好きだったけどルールは知らない。見るのが好きなんです。それでもいいんですよ。雰囲気を味わうのが楽しいんです」。ルールを知っているのはゴルフだけだ。
昨年末、スポーツ大好きなさくらをホスト役に、パリオリンピック金メダルを目指すプロサーファーの五十嵐カノア選手との対談が行われた。最初は、「五十嵐選手、裸足で来るんですかねえ……5カ国語話せるなら、英語で返そうかなあ」などと、緊張を隠すためか、面白い言葉を連発していたさくら。
「それにしても世界中回ってるから、めっちゃ疲れますよね。海って疲れるし。私はビーチに行っただけで疲れるので。日差しもあるし、疲労感はすごいじゃないですか。そんな中で毎日サーフィンしている。たぶん、体力は半端ないと思います。でも私、実は海が苦手なんです。サメが致命的にダメで……映画の『ジョーズ』とか見たら怖くて」と言いながら、一度ハワイでサメを見るツアーに参加したことがあるという。〝あまのじゃく〟さくらだ。
「檻(おり)みたいなものに入って、餌を出してサメをおびき出すんです。一応普通にでっかいサメが来るんですよ。何十匹もいるんです。でもそれはそんなに怖くはないんですけど、海が深いから怖くて。もしその檻が壊れたらって。半袖と短パンで入るんですよ」とちょっと楽しそうに語る。
対談のとき、カノア選手にもその話をすると、「ああ、ケージのダイビングね。僕もやろうと思ったことがあるけど、怖くてできなかった」と笑いで返された。なにせ、サーフィン最中に、海のなかでサメを見たことがあるというカノア選手である。
食べることが大好きだという話は一致して盛り上がったが、好きな食べ物に関しては、「私はお肉、牛タンが好きなんです」というさくらに、「今まではすごく牛タンが好きだったんですけど、最近はあまり好きじゃなくて。なんだかタンのイメージが……」というカノア選手。魚介類も苦手だというカノア選手に、対談前、焼き魚が食べたくて、近くの定食屋で「銀だら定食」を食べてきたことは、口に出せなかった。「すごくストイックな方でした。そして、思った以上にしゃべってくれる方で、思った以上にゴルフが好きなんだと思いました」と対談後に語ったさくら。
そんなさくらは、3月の開幕戦に向けて、今年も充実したオフを過ごしている。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年2月6日号より(PHOTO/Satoru Abe・モノクロ、Tadashi Anezaki・コース)