クラブ設計家の松尾好員氏は、『ゼクシオ13 アイアン』に「ユーティリティのような印象を受けたと」を言う。ロフトを立てれば飛距離が伸ばせる一方で、球は上がりにくくなる。13代目に進化したゼクシオアイアンは、シリーズ初の中空構造を採用し、飛び系アイアンの進化にはかかせない「球の上がりやすさ」をそこに求めた。初代「32度」だった7番アイアンのロフトは「28度」までストロングになっていて、「28度の壁」にトライするのは今回で3代目。ゼクシオを上回る「26度、27度」のストロングアイアンがある中で、王者ゼクシオが求めたものは何か? 松尾氏とともに検証してみた。

「安心のつかまり」、「飛距離」、「高弾道」の3点セット

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。

クラブ長さはやや長いがクラブ重量が軽いことで振りやすい。重心距離がとても長い(基準値:37.5〜39.0 mm)。比例してネック軸回り慣性モーメントも大きくなっている(基準値:5500〜5999 g・㎠)。

クラブ長さは37.25インチ(実測値)と「やや長い」ですが、クラブ重量は367.1グラムと「非常に軽い」です。これらの数値と比例してスウィングウェイトも実測でC9.6と「小さく」なっています。

そしてクラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントは262万g・㎠と「小さい」です(基準値:263万〜266万g・㎠)。計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが39㎧くらいのゴルファーにとって、振りやすくなっています。

ヘッドを見てみると「非常に大きい」ので、特にティーアップしたときに打ちやすく安心感があります。そして、「広いソール」と「幅の厚いトップライン」も相まって、「ユーティリティのようなイメージ」も出ています。

画像: ヘッドの大きさとグースネックで安心感を与えてくれる

ヘッドの大きさとグースネックで安心感を与えてくれる

実際に試打したところクラブは7番で標準カーボンシャフトのSが装着されていました。軟らかめの設定でヘッドスピードが37〜38㎧くらいのゴルファーでも十分扱えそうです。

ロフト角が28度と「ストロングロフト」のアイアンですが、他の一般的なモデルと比べて、軽量モデルであること、また純正のカーボンシャフトのおかげで「球が上がりやすい」です。また、フェースの高さが高いのでロフトがあるように見えるのも、球が上がりやすく思える要因のひとつかもしれません。

ヘッドの左右の慣性モーメントが前作よりも大きくなっており、ミスショットに対する寛容性も改善されています。フェースの長さが「非常に長く」、それに比例して重心距離も「非常に長い」ので、ヘッドのネック軸回りの慣性モーメントが「大きく」なっています。よってダウンスウィングでのヘッドの返りが遅くなります。しかし、元々グースネックの度合いが強い設計なので、「つかまりやすいヘッド」にプラス「返りが遅いヘッド」によって、「適度なつかまり」でボールを飛ばせるアイアンと言えるでしょう。

※週刊ゴルフダイジェスト 2024年2月20日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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