本日発売の2024年2月27日・3月5日合併号「週刊ゴルフダイジェスト」巻頭特集で紹介した「藤田寛之×桑木志帆 教えて! 1パットの勘どころ」。記事スペースの都合上で掲載できなかった2人の会話を(ほぼ)ノーカットで掲載!

「決めなければいけない場面で決める」メンタルの強さ

編集部 藤田さんは昨年の日本シニアオープンで最後のバーディパットを決めて逆転優勝を決めましたよね。特にあの日はショットの調子があまり良くないながらもずっとしのいできて。最後のパットはどんなことを考えて打ったのでしょう。

藤田 あれは下りだったので、2パットのタッチで打とうと思ったんです。まずは2パットのタッチで、ラインだけはしっかり決めようと。そこでカップからボール1個外しでタッチを合わせていきました。

編集部 ということは、どうしても入れないといけないというより、目の前の1打に集中したということですか。

藤田 どちらかといえばそうです。ちょっと話はズレますが、あの緊張した場面で実際にやっていない人が冷静なこというじゃないですか(笑)。でもやっている方はそうじゃないもんね。

桑木 たしかに(笑)。

藤田 入る、入らないというのはあくまでも結果なので、そこで何をしたかというのは極論すると関係ありません。ただ、それが入る人と入らない人は確実にいます。その差は「普段からそのときのために何をしてきたか」というのが大事になるのだと思うんです。

桑木 準備…練習ですか?

画像: 大切なのはストロークより打ち出し」。藤田はインパクトからボール4個分転がりを大切にし、日々マット練を行う。

大切なのはストロークより打ち出し」。藤田はインパクトからボール4個分転がりを大切にし、日々マット練を行う。

藤田 そう。そのうえで「何をするか」が大切です。たとえば色々とやっていると、これをやらないといけないというのが徐々に出てくると思うんですが、たとえばタイガーはティーを刺して練習するでしょ?

あるプロはミラーを使ったり、そういった“自分の基準となる練習”というのが「そのための準備」であって、それを日々やっている人は、決めなきゃいけない場面で入りやすいと思うんですよ。

桑木 藤田さんはどういう練習をしているのですか?

藤田 僕はパターマット。毎日その基礎練習だけはやって、練習グリーン上で応用問題をやっている感じです。

編集部 練習グリーンは基礎練の場ではないのですか?

藤田 突き詰めていくと、若干の傾斜や芝目、風の影響などあるじゃないですか。だから毎回同じ転がりをする室内でのパターマットが良いのです。だから、練習グリーンでは“応用問題”をやる感じになるんです。

桑木 なるほど、その練習はどこでやるんですか?

藤田 自宅にもあるし、試合のときはホテルにも持っていって毎日。今はそんなにたくさんやりませんが、高校時代はずっとやっていました。もう1つ、目的は明確なほうが良くて、僕の場合は「狙ったところに狙った強さで常に打てる」ようにしたい。打ち方ってその時々で色々違うけれど、カップがあってボールがあって、道具を使って入れていくわけですよね。そのときにココ(打ち出し)が大事だと思ってて。

桑木 打ち出した瞬間ということですか?

藤田 そう。目安でいったらボール4個分くらい。自分はパッと打った瞬間にそこへ出ればいいわけで。でもそれが日によって右へ行ったり左へ行ったりするわけじゃないですか。だから常にパターマットで“ここへ打つ”ということを日々やっています。

桑木 ストロークとかはあまり気にしないということですよね?

藤田 そう。狙ったところに狙った強さで常に打てるようにするだけ。パターってそれだけじゃないですか。

道具はあまり変えない方がいい

中村修 最後にもう1つお聞きして良いですか? 実は今日、桑木プロのパターフィッティングに来ているのですが(撮影コースはスコッティキャメロンミュージアムのある浜松シーサイドGC)、ピン型を使ってみたいと思って。

藤田 今は何を使っているんですか?

桑木 トラスのマレット型です(TPリザーブトラスM3T C)。これより操作性が高いピン型を練習で使って感覚を磨きたいなと。

編集部 藤田さんは芥屋(KBCオーガスタ会場)のコーライグリーンをマレットで優勝されましたよね。そういった感じでコースによって使い分けるというのも良さそうですが。

藤田 あれは特別ですね。基本的には自分の道具でそれぞれに対応したいので(替えることは)ありません。ただ、自分が対応できる域を超えた場合、自分が持っている道具に対する信頼がなくなりそうなときがあるんですよ。

画像: 現在の愛器は「TPリザーブトラスM3T C」。

現在の愛器は「TPリザーブトラスM3T C」。

桑木 あります、あります!

藤田 でしょ? それは自分にとっても良くないし、"道具と自分の関係” にとっても良くないから、そういうときは違う道具にしちゃえば頭の中が違うところへ行くんで。ただ、基本は替えませんよ。

編集部 変えない大切さということですか?

藤田 そうです。たとえば色んな車に乗るとブレーキやアクセル、ハンドルの感覚って違うじゃないですか。だけど同じ車に乗り続けていると、もうなんでも自由自在! って。だから基本は道具と自分の良い関係を続けていくことを大切にしたいです。ただ、練習で使うのは良いかもしれませんね。もし第一印象が良くなくても、使っていくうちに良くなってくることもあるし、そこは相性ですね。そこから対話していくなかで合う、合わないが決まるので、試してみるのは良いと思いますよ。

まだまだ話は尽きませんが、撮影の時間もあるため一旦ここで強制(?)終了。
続きは本日発売の2024年2月27日・3月5日合併号の「週刊ゴルフダイジェスト」巻頭特集「藤田寛之×桑木志帆 教えて! 1パットの勘どころ」または「MYゴルフダイジェスト」をチェック!

PHOTO/Hiroaki Arihara  THANKS/浜松シーサイドGC

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