今年は新しいツアーボールが次々に発表されているが、キャロウェイもそのうちのひとつ。にわかにツアーボール戦国時代の様相を呈しているが、同社の『クロム ツアー(CHROME TOUR)』シリーズはツアーでのスイッチが順調に進み、その評価が非常に高い。改めてキャロウェイのボールの魅力を、歴史をひも解きながら探ってみよう。

『クロム ツアー』にスイッチしたシャウフェレは、開幕から4戦中3戦でトップ10入り

キャロウェイが前作のクロム ソフト シリーズを一新、『クロム ツアー』『クロム ツアー X』『クロム ソフト』の3モデルを3月1日に発売する。『クロム ソフト』はモデル名が変わらないが、『クロム ツアー』『クロム ツアー X』は、前作のクロム ソフト X LS、クロム ソフト Xからの変更となり、よりツアーボールとしての立ち位置を明確にしたモデルになった。

画像: PGAツアー開幕戦から『クロム ツアー』を実戦投入したザンダー・シャウフェレ。順調な滑り出しを見せている(撮影/Blue Sky Photos)

PGAツアー開幕戦から『クロム ツアー』を実戦投入したザンダー・シャウフェレ。順調な滑り出しを見せている(撮影/Blue Sky Photos)

開幕して1カ月以上が経過したPGAツアーを中心に、選手たちは新しい『クロム ツアー』『クロム ツアー X』へと続々と乗り換えている。開幕戦から『クロム ツアー』にスイッチしたザンダー・シャウフェレは、4戦中3試合でトップ10入りするなど好調で(2/13現在)、パラダイム Ai スモークとの相乗効果を早くも発揮している。

シャウフェレが選んだ『クロム ツアー』は、グリーン周りでのスピン性能は当然ツアークオリティながら、ドライバーショットなどロングショットでの低スピン性能を強化。より飛距離に重点を置いたモデルだ。

画像: ゴールドのパッケージの『クロム ツアー』。圧倒的なロースピン性能によりロングショットの飛距離に優れ、かつグリーンサイドでは高いスピン性能も維持。打感はややソフト(撮影/有原裕晶)

ゴールドのパッケージの『クロム ツアー』。圧倒的なロースピン性能によりロングショットの飛距離に優れ、かつグリーンサイドでは高いスピン性能も維持。打感はややソフト(撮影/有原裕晶)

一方の『クロム ツアー X』は、従来も高い飛距離性能と高スピン性能を両立していたが、それらを一段高いレベルに引き上げた高バランスのモデルとなっている。

画像: ブラックのパッケージの『クロム ツアー X』。飛距離性能、グリーンサイドでの高いスピン性能を高水準でバランスよく両立した。ソフトな中にも芯を感じるややしっかりめの打感(撮影/有原裕晶)

ブラックのパッケージの『クロム ツアー X』。飛距離性能、グリーンサイドでの高いスピン性能を高水準でバランスよく両立した。ソフトな中にも芯を感じるややしっかりめの打感(撮影/有原裕晶)

打感に関しては、『クロム ツアー X』がソフトな中にもややしっかりとした手応えがあるのに対し、『クロム ツアー』はそれより一段軟らかく仕上がっている。『クロム ソフト』を加えた3タイプの中でいえば、ちょうど中間の軟らかさが『クロム ツアー』ということになる。

ウレタンカバーソリッドボールの黎明期に登場、アニカの「59」を生んだ『Rule 35』

今年もパラダイム Ai スモークでゴルファーの耳目を集めるなど、どうしてもクラブに目が行きがちなキャロウェイだが、今回の『クロム ツアー』『クロム ツアー X』には、並々ならぬ自信を見せる。その裏には、過去のボール開発、特にウレタンカバーソリッドボール(ツアーボール)に関して、常に新たな道を切り拓いてきたという自負がうかがえる。

2000年、キャロウェイは『Rule 35』というウレタンカバーソリッドボールをいち早く上市した。当時はウレタンカバーソリッドボールの黎明期。まさにゼロから開発するために、空力やゴム製品の専門家、化学者、果ては航空力学の専門家までを採用し、徹底した研究を重ね、高性能のボール開発に成功した。この『Rule 35』ボールは、実に3年半の時間と1億7000万ドル(当時の為替で約180億円)もの巨費を投じた結晶だ。

画像: 2001年「スタンダード レジスター ピン」で8連続バーディを含む1ラウンド「59」という記録を打ち立てたアニカ・ソレンスタム。以降もキャロウェイのクラブとボールを駆使し、最強女王の座に君臨し続けた(撮影/Getty Images)

2001年「スタンダード レジスター ピン」で8連続バーディを含む1ラウンド「59」という記録を打ち立てたアニカ・ソレンスタム。以降もキャロウェイのクラブとボールを駆使し、最強女王の座に君臨し続けた(撮影/Getty Images)

『Rule 35』は、2001年にアニカ・ソレンスタムの1ラウンド「59」という大記録をサポート、米シニアツアーでは、試合によっては不動の1位メーカーを抜き、使用率トップになるなど、数々の実績を挙げ注目を集めた。

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『クロム ツアー』『クロム ツアー X』にも通じる『HX(ヘックス) 』の革新的な表面パターン

『Rule 35』から2年後、再び革新的なボールが誕生する。カバーのウレタンが極めて薄く、加えて「エアロネットワーク」という独特な六角形の表面パターンをまとった『HX(ヘックス)』がそれだ。円形のディンプルとは異なる表面の形状は、空力や航空力学の専門家によってもたらされた革新的な表面パターン。

画像: 六角形の表面パターンでインパクトを与えた『HX(ヘックス)』。表面を覆う窪みの面積を限りなく増やすというこの発想は、現在のディンプル設計の常識となっている(撮影/有原裕晶)

六角形の表面パターンでインパクトを与えた『HX(ヘックス)』。表面を覆う窪みの面積を限りなく増やすというこの発想は、現在のディンプル設計の常識となっている(撮影/有原裕晶)

これにより無駄なバックスピンを減らしつつ、ボールフライトの終盤においては逆にスピンを維持して、最後のひと伸びをもたらすという画期的なもの。
現在では、いかにボール表面全体を隙間なくディンプルで覆うかが、高い空力性能を得るための常識となっているが、その先鞭をつけたのがキャロウェイが開発したこの六角形のパターンとも言われている。

そして最新の『クロム ツアー』『クロム ツアー X』には、このヘックス・エアロネットワーク パターンをさらに進化させた「シームレス・ツアーエアロ」を採用。

画像: 六角形のパターンは継承しつつ、より風に影響されにくいよう円形の窪みも組み合わされた、最新『クロム ツアー』シリーズの表面パターン(撮影/有原裕晶)

六角形のパターンは継承しつつ、より風に影響されにくいよう円形の窪みも組み合わされた、最新『クロム ツアー』シリーズの表面パターン(撮影/有原裕晶)

数多くの六角形のパターンのなかに、複数の円形を配することで、風に影響されやすい落ち際で、風に負けずに狙った距離まで届くよう進化したという。キャロウェイのボールは、空力性能において最先端の位置にいるといっても過言ではないだろう。

そして、カバーだけではなく、最新の『クロム ツアー』『クロム ツアー X』では、コア、中間層の素材の配合も新しくなり、反発と打感が向上。また前作、今回とさらなる設備投資を行い、他のどのボールよりも設計通りに精密で、かつ誤差の少ない製品に仕上げることを目指したという。

通算72勝のアニカ・ソレンスタム、フィル・ミケルソン、アーニー・エルスらの名選手を支え、現在は、海外ではザンダー・シャウフェレ、ジョン・ラームといったトップ選手、日本人選手では、石川遼、上田桃子、西村優菜らが厚い信頼を寄せるキャロウェイのボール。その最新モデルはツアーボール戦国時代において、これまでにない存在感を放つ。

画像: キャロウェイボールは、メジャートーナメントでも数々の勝利に貢献してきた(写真は2023年マスターズを制したジョン・ラーム)(撮影/Blue Sky Photos)

キャロウェイボールは、メジャートーナメントでも数々の勝利に貢献してきた(写真は2023年マスターズを制したジョン・ラーム)(撮影/Blue Sky Photos)

「Demonstrably Superior & Pleasingly Different (明らかに優れていて、その違いを楽しむことができる)」という哲学がキャロウェイゴルフにはある。最新の『クロム ツアー』『クロム
ツアー X』ボールにも、その思想が色濃く反映されている。つまりは、プロ・上級者だけではなく、あらゆるゴルファーがその性能を楽しめるボール、ということだ。キャロウェイユーザーもそうじゃない人も、“明らかに優れている”性能と他のボールとの“違い”を『クロムツアー』シリーズで楽しんでみてはいかがだろうか。

気になる『クロム ツアー』『クロム ツアー X』の実際のパフォーマンスは、次回詳しくお届けします。

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画像: www.callawaygolf.jp
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