「長谷部祐とギア問答!」は、国内外大手3メーカーで、誰もが知る有名クラブの企画開発を20年超やってきたスペシャリストの長谷部祐氏に、クラブに関する疑問を投げかけ、今何が起こっているのか? その真相を根掘り葉掘り聞き出すものです。クラブ開発の裏側では、こんなことが考えられていたんですね...…。

日本ブランドは頑張って打たないと飛ばないような気がする

GD 前回は、テーラーメイドはファーストバージョンがあって、翌年セカンドバージョンを出してくるのが定番化しているという話で終わりましたが、それって、ブリヂストンがツアーステージの頃にやっていたのと同じだったじゃないですか。初年度は正規品(一般向け製品)を出して、翌年にリミテッドを出すみたいな。どうして、表年と裏年みたいになるんですか?

長谷部 最初の年に全部出さないでちょっと残しておく。「〇〇プロモデル」とかを取っておいてみたりして。リミテッドモデルみたいのを2年目に出すと、ひとつのコンセプトが2年持ちこたえてくれる。フルモデルチェンジの入れ替えじゃないから、2年間頑張って売るためのカンフル剤を1個入れましたというやり方です。

GD 「リミテッドエディション」って、クラブ好きにはたまらないじゃないですか。

長谷部 そう、ダブルで買ってくれる人はそういうファンなので、コアのファンを決して離さない商売をブリヂストンはやっていたんですよ。

GD 今、リミテッドエディションってあまりやらないですよね。

長谷部 やらないですね。

GD キャロウェイが数量限定で出してくるモデルがありますが、2023年でいったら『パラダイム ♦♦♦ S』。中古市場ではプレミアム価格で売買されているとか聞きます。

長谷部 直営店限定とかね。

GD 限定モデルを出すと即完売らしい。

長谷部 ピンは今回、『G430 MAX 10K』を投入しました。だから、『G430』は継続なんですよ。3モデル出したけど、さらに4つ目ですっていう売り方だから、一応2年間、大きなコンセプトチェンジはせずにやっていますよね。

GD キャロウェイだって、「スモーク」という名前が付いているけど、『パラダイム Aiスモーク』ですよ。

長谷部 そうなんですが、パラダイムは安売りしちゃっている。

GD あ、そういうことですね。

長谷部 『G430』は安売りしていない。継続でしょ。マークダウンしているってことは、これはもう主流じゃないですよっていうことだから。今、ピンが成功しているのもまぐれじゃないし、このままもしかしたら じわじわとシェアを広げちゃうの? と思うよね。先日、ピンの試打会やっていたので、打ってみたら1発目からいいショットが打てるわけ。「あれ?」って思う。自分でもピン使えるんだって思っちゃう。

GD 1発目って大事ですよね。

画像: 長谷部氏が一発目からいい球が出たというピン『G430 MAX ドライバー』

長谷部氏が一発目からいい球が出たというピン『G430 MAX ドライバー』

長谷部 性能差がないということは、ブランドスイッチがしやすいから 、実は開発力の違いっていう風に思われますが、その開発力を引き出している原資となる売上規模とかパワーマーケティングとかに勝てる会社が今生き残っているし、外ブラに人気を持っていかれているのが現状でしょう。

GD それだけじゃないように思う。今日(GDOゴルフガレージで)、いろいろなメーカーのドライバーを年代別、モデル別で見比べてみましたけど、不思議と外ブラのほうが飛ぶような気がしました。日本のメーカーのものは、頑張って打たないと飛ばないような気がして、昔を思い出しちゃうわけですよ。一生懸命振っていた若い頃をね。ピンなんて一生懸命振らなくても、飛んでいくような雰囲気がある。

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