飛び系アイアンの元祖として不動の地位を築くゼクシオ。その最新作『ゼクシオ13』が昨年末に発売され、同時にアスリートテイストの兄弟モデル『ゼクシオ エックス』も新しく生まれ変わった。この新『ゼクシオ エックス』アイアンが今、クラブの専門家、またヘッドスピードがそれなりに速い上級者からも高い評価受けているという。ゴルフはシングルの腕前かつパワーヒッターの元プロ野球選手・古田敦也さんも興味津々。性能評価に一役買ってくれた。

古田さんのクラブ選びの基準は“難しくない”こと

画像: 古田敦也。1965年生まれ。東京ヤクルトスワローズ一筋、名捕手として同チームの黄金期を築いた。捕手ながら2000本安打を達成、年間盗塁阻止率.644(1993年)、通算盗塁阻止率.462はいずれも日本記録。YouTubeチャンネル「フルタの方程式」の登録者数は約77万人と大好評。ゴルフはHC6、ドライバーの平均飛距離は260~270ヤードを誇る

古田敦也。1965年生まれ。東京ヤクルトスワローズ一筋、名捕手として同チームの黄金期を築いた。捕手ながら2000本安打を達成、年間盗塁阻止率.644(1993年)、通算盗塁阻止率.462はいずれも日本記録。YouTubeチャンネル「フルタの方程式」の登録者数は約77万人と大好評。ゴルフはHC6、ドライバーの平均飛距離は260~270ヤードを誇る

現役時代は、あえて人より大きなキャッチャーミットを使ったり、相手ピッチャーによってバットの長さを変えたりと、道具には並々ならぬこだわりを持っていたという、ミスター・スワローズの古田敦也さん。キャディバッグを覗いてみると、アイアンはコンボ、ウェッジのロフトもギャップが均一ではないなど、さすがはシングルプレーヤーという感じだ。

画像: 【古田敦也さんのセッティング】1W:SRIXON ZX5 MkⅡ(9.5度)、3W・5W:SRIXON ZX MkⅡ、3HY・5HY:SRIXON ZX MkⅡ、6I:SRIXON ZX5 MkⅡ、7I~PW:SRIXON ZX7 MkⅡ、50・54・60度:Cleveland RTX6、PT:SCOTTY CAMERON SUPER SELECT

【古田敦也さんのセッティング】1W:SRIXON ZX5 MkⅡ(9.5度)、3W・5W:SRIXON ZX MkⅡ、3HY・5HY:SRIXON ZX MkⅡ、6I:SRIXON ZX5 MkⅡ、7I~PW:SRIXON ZX7 MkⅡ、50・54・60度:Cleveland RTX6、PT:SCOTTY CAMERON SUPER SELECT

「いや、実はゴルフクラブに関しては、こだわりはないほうなんですよ(笑)。フィッティングして、結果がよかったから入れている、というのが正直なところ。例えばアイアンは6番だけZX5 MkⅡですが、そのほうがやさしくて結果が良かったから(7番以下はZX7 MkⅡ)。そうですね、あえて選ぶ基準を挙げるなら、“難しくないこと”、かな。だいたいのところに運べる、ミスをカバーしてくれる、そういうやさしいクラブを使いたいですね」(古田さん)

確かにアイアンも5番を入れずに6番から。ただそれならば、アイアンはすべてZX5 MkⅡのほうがいいような気もするが……。

「ヘッドが小さいほうが、ラフからの抜けがいいのかな、とか。あと弾道を抑えながらラインを出していくショットを打ちたいので、下の番手はZX7 MkⅡにしています。だけど本当は、心置きなく振り抜いて高い球を打ちたい願望もある。ただそれだと左に巻くミスが出やすいので、いつもはちょっと力を抑えて中弾道を打っています」

画像: 新『ゼクシオ エックス』が自身のアイアンとどれだけ違うか、古田さんの期待が膨らむ

新『ゼクシオ エックス』が自身のアイアンとどれだけ違うか、古田さんの期待が膨らむ

そんな古田さんの7番アイアンの飛距離は165ヤード。現状のアイアンに不満はなく、特段替える理由はないというが、さらにやさしくかつ飛距離が出せればそれに越したことはないともいうのも本音だ。そこで古田さんも気になっているのが『ゼクシオ エックス』。自身のZX7 MkⅡと打ち比べることにした。

愛用のアイアンはコントロールしやすいが、左へのミスが気になる

まずは自身のZX7 MkⅡの7番をテスト。

「まあ打ち慣れてますからね。打感もいいし、距離も申し分ないです。バッティングに例えると、おっつけるように右に打ち出して、そこから戻すショットをコースでは多用します。自分のスウィングのクセなんですが、大きく振るとフックボールが出やすいので、ちょっと抑える感じはありますね。先端が少し軽く感じるので操作しやすい反面、過剰に操作してしまい、それがミスにつながることもあるんです」と古田さん。

画像: アスリートらしい強靭な足腰を生かし、安定したドローボールを連発

アスリートらしい強靭な足腰を生かし、安定したドローボールを連発

安定したドローボール放つ古田さん、さすがはシングルプレーヤーだ。しかし、たまに大きくフックするミスもあり、それを警戒して少し加減して打っている感は否めない。

『ゼクシオ エックス』は、心配のタネのフックが出にくい!

では、古田さんもお待ちかねの『ゼクシオ エックス』の試打に移ろう。シャフトは古田さんが日ごろ愛用しているダイナミックゴールドのX100にカスタム。

画像: セミラージヘッドの『ゼクシオ エックス』。ロフトは7番で28.5度。V型のソール形状で抜けの良さにも定評がある

セミラージヘッドの『ゼクシオ エックス』。ロフトは7番で28.5度。V型のソール形状で抜けの良さにも定評がある

「見た目、いいですよね。かっこいい。ZX7 MkⅡと比べるとちょっとヘッドが大きいけど、その分やさしさを感じますね。僕も50代後半、こういうやさしい感じのクラブで楽にゴルフしたほうがいいと思うんですよ。素振りすると、こっち(ゼクシオ エックス)のほうが、先が重く感じます。野球のバットも先が重いじゃないですか。その点ではとてもフィーリングがいいですね。先が重いので、振り出したらヘッドが勝手に走ってくれそうです」

実際に打つと、真っすぐ、またほんのわずかフェード気味に飛ぶボールになった。

「これはちょっと意外! もっとつかまって左に来るかなと思っていたので」

「もう少ししっかり振ってみます」という古田さんの弾道も左に巻かず、ストレート。その分飛距離も平均で10ヤード以上伸びている。

画像: 「やや先端が重く感じるので、野球のバットの感覚に近い。自然にクラブが下りてくるので安定感がある」と古田さん

「やや先端が重く感じるので、野球のバットの感覚に近い。自然にクラブが下りてくるので安定感がある」と古田さん

「ヘッドがオートマチックに進んで、自然とインパクトに戻ってくる感覚があります。自分で変に操作しようとしないからなのか、ボールが曲がりにくいですね。このアイアンは自分の引っかけグセをうまく解消してくれそうな気がします。(ロフトが立っているのに)弾道が高い点も間違いなくゴルフにプラスになります」

画像: 各クラブ、ナイスショット3球の平均。ゼクシオ エックスのほうがキャリーで9ヤード、トータルで13ヤード飛距離が伸びる結果に

各クラブ、ナイスショット3球の平均。ゼクシオ エックスのほうがキャリーで9ヤード、トータルで13ヤード飛距離が伸びる結果に

画像: 青い点がZX7 MkⅡ、黄色の点がゼクシオ エックス。ゼクシオ エックスは古田さんの“クセ球”である左への引っかけが出にくいことがわかる

青い点がZX7 MkⅡ、黄色の点がゼクシオ エックス。ゼクシオ エックスは古田さんの“クセ球”である左への引っかけが出にくいことがわかる

『ゼクシオ エックス』アイアンはとことん“低重心”を追求した

ロフトが立っているのに、ボールが高弾道なのはなぜか。これについては、住友ゴム工業(株)スポーツ事業本部 商品開発部 松永聖史さんが解説してくれた。

画像: 今回で3代目となる『ゼクシオ エックス』アイアン。ロフトは7番で28.5度とセミストロング設計。同社の大人気アイアン『SRIXON ZX5 MkⅡ』を彷彿させるヘッド形状になっている

今回で3代目となる『ゼクシオ エックス』アイアン。ロフトは7番で28.5度とセミストロング設計。同社の大人気アイアン『SRIXON ZX5 MkⅡ』を彷彿させるヘッド形状になっている

「新しい『ゼクシオ エックス』は、とことん“直打ち”時の反発性能の向上に取り組んだアイアンです。アイアンは基本的に芝の上から直接打つクラブ。必然的にフェースの下部でヒットするケースが増えます。そのためのフェース下部の反発の向上=一層の低重心化を推し進めました。従来のゼクシオ エックスアイアンは鍛造ボディでしたが、それだと強度を保つために特にトップブレード部を軽量化することが困難でした。つまりヘッド上部にそれなりの重量を取られるので、低重心化には限界があったのです。そこで今回はボディを鋳造に変更。上部を軽量化しても強度が保たれるので、その分の余剰重量をヘッド下部に集めることができ、かつてない低重心ヘッドになりました。低重心なのでボールがよく上がることに加え、実打付近の反発力も高いため、初速がアップ。その分最高到達点が先の高い所になるので、落下角度も大きくなります。結果、ロフトがややストロング(7番:28.5度)でも止まる球になるのです。30度やそれ以上のロフトのアイアンと比べても、落下角度が足りないという声はありません」

鋳造と聞くと、鍛造に比べて打感が硬いのでは、というイメージがあるが……。

「それは一概には言えません。打感には、構造や肉厚、異素材の組み合わせなど、様々な要因が関係します。新しい『ゼクシオ エックス』は、ボディは鋳造ですが、フェースは鍛造ですし、バックフェース側のバッチも打感・打音をマイルドにしています。前モデルとまったく遜色はありません」

画像: ゼクシオ エックスの分解パーツ。大きめのタングステンウェイトが低重心設計を支える

ゼクシオ エックスの分解パーツ。大きめのタングステンウェイトが低重心設計を支える

古田さんも「ボールの弾きはいいんですが、打感や打音に硬さはまったく感じない、というか逆に気持ちいいですね」と証言。

画像: 『ゼクシオ エックス』の試打結果にご満悦の古田さん。アイアンが差し替わる日も近いか!?

『ゼクシオ エックス』の試打結果にご満悦の古田さん。アイアンが差し替わる日も近いか!?

現状のZX7 MkⅡに不満はないが、それを大きく上回る『ゼクシオ エックス』の飛びとやさしさを体感した古田さん。「こういう簡単なクラブで回ったほうが絶対結果はいいんだよな……」。パワーヒッターかつ上級者の古田さんのバッグに、新『ゼクシオ エックス』アイアンが入る日は遠くなさそうだ。
アスリート派のゴルファーにとって、“新たな選択肢”として『ゼクシオ エックス』を試してみると、アイアンの価値観が一変するかもしれない。

PHOTO/Takanori Miki

【次の記事はこちらから】★★★★★DUNLOP2024特集 ★★★★★

This article is a sponsored article by
''.