左右上下の打点ブレに強い!
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフト「N.S.PRO 750GH neo」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。
ストロングロフト設定で飛距離性能を持ち、クラブ重量が軽いことでスウィングスピードに自信がないゴルファーでも飛びを体感できる
クラブ長さは37.0インチと標準的で、クラブ重量が388.8グラムと軽く、スウィングウェイトはC8.8と「非常に小さい」です。クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントは262万g・㎠に抑えられ、計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが39m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。
ヘッド形状を見てみると、「ピン」のG700シリーズらしく、”非常に長いフェース”と”大きなヘッド”、”広いソール”と”強いグースネック”が特徴的です。

大きく長い顔がアドレスで安心感を与えてくれる。グースネック設定も健在だ
実際に試打したところヘッドサイズが大きくフェース面も広く見えることから、特にティーアップしたショットで打ちやすそうな安心感があります。
アドレスではバックフェースが見えるほどソールの幅が広く、厚めのトップラインも相まって、「ユーティリティのようなイメージ」もありました。
試打シャフトがかなり軟らかめで、ヘッドスピードが37〜38m/sくらいのゴルファーも振りやすい設定です。
ロフト角がカタログ表示で26.5度と、かつての5番アイアンのような「超ストロングロフト設定」になっています。その影響でフェアウェイからの弾道は、通常の7番よりもやや低めで、球の出だしが強かったです。
ヘッド素材には軟鉄よりも硬いステンレスが使用されており、打感は硬めで、インパクト音は高く、フェース面の弾く感触がありました。フェースが非常に長いので重心距離が「非常に長く」、また左右方向の慣性モーメントが「大きい」ため、芯を外したミスヒットに対する寛容性が高くなっています。
フェース面のSS(スイートスポット)の高さが非常に高い高重心設計なので、特にティーアップやラフでのショットではフェース面の上側の当たり負けに強かったです。
米国モデルらしくソールの「バウンス角が大きく」、ダウンブロースウィング時のソールの抜けも抜群でした。大きいヘッドとグースネックで、つかまえて飛ばしたいゴルファーにいいでしょう。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月21日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より