”ピン史上最も飛んで、最もやさしい飛び系アイアン”のスローガンを引っ提げて登場した『G730』アイアンは、「G700シリーズ」の3代目となる。クラブ設計家の松尾好員氏は「前作の良さを兼ね備えながらさらに飛び系へと進化した」と言う。さらに前作の『G710』アイアンまで施されていた中空構造ではなく、キャビティバックへ設計されている。ヘッドデータや試打から見えた『G730』の性能を松尾氏とともに検証してみた。

【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/26.5度 ●ライ角/62度 ●価格(税込)/2万8600円(5I~9I、PW、UW・1本あたり)※すべてメーカー公表値

G700シリーズはさらに飛び系へ進化した

GD 今回はピンから5年ぶりに発売となったG700シリーズの『G730』アイアンを分析していただきます。「G700シリーズ」というと“飛びと打点ブレへのやさしさ“に寄り添ってくれる印象があります。今作は松尾さんから見てどのように感じましたか?

松尾 今作は「G700シリーズ」の打点ブレへのやさしさを兼ね備えながら、さらなる飛び系へ進化させてきたと感じました。

GD 前作にあたる『G710』アイアンも大慣性モーメントでロフト角が立っている設計となっていましたが、今作は具体的にどのあたりが進化していましたか?

松尾 今作は前作よりロフト角が立った設計となっていました。前作が28度に対して今作では26.5度と1.5度立たせてあります。飛距離性能に直結する部分なので、あらためて今作は飛距離性能を第一に考えられていると感じました。

GD なるほど。しかしここまでロフト角が立っているとなると、フェアウェイのあるがままの状態から打つことは難しいように思います。

松尾 そうですね。ロフト角だけでなくスイートスポットの高さに注目すると、このアイアンが性能を発揮する使い所が見えてきますね。前作が22.9ミリ、今作は24.0ミリと非常に高くなっています。26.5度のロフト角と合わせて考えると“ティーアップしたショット“と相性がいいクラブでしょう。

GD さらにシチュエーションを限定するとショートホールのティーショットで活躍してくれそうですね。打点ブレへの強さはいかがでしたか?

松尾 実際に試打をしていても芯を外したミスショットでもまっすぐ飛んでくれました。ヘッドの慣性モーメントを見ても、今作は3475g・㎠と前作の3403g・㎠よりも上回っています。スイートスポットの位置が高いことで、特にフェースの上部で打ってしまう”ポッコン”のミスに強いと感じました。

GD 今作は「G700シリーズ」の真骨頂を継承していながら、さらなる飛び系へと進化したことがわかりました。もう1つ前作との違いは中空構造ではなくキャビティ構造で設計されています。この設計変更にはどんな意図があるのでしょうか?

松尾 一番は打感と打音の心地よさを改善することが目的だと思います。前作は中空構造でフェース面の素材が「C300」という非常に硬い金属が使われていたこともあり、弾き感が強く打球音も高い感触でした。今作はキャビティ構造を採用することでバックフェースに銘板(バッヂ)を配することで、振動による衝撃を吸収させて響きすぎない音にさせたかったのだと思います。フェース面の素材もステンレスで、前作よりも打っていて嫌な弾き感が抑えられ、フェースに吸いつく感じで打てました。

左が前作の『G710』、右が『G730』。『G730』 はバックフェースがくり抜かれたキャビティ構造で設計されている

GD 飛び系にありがちなパチンと弾く感覚や独特な高い打球音を抑え、アイアンらしい落ち着いたフィーリングが今作は考えられていると言えそうですね。最後に『G730』アイアンはどのようなゴルファーにおすすめでしょうか?

松尾 『G730』アイアンはストロングロフトによる飛距離性能と、高重心設計で上下の打点ブレの強さを兼ね備えています。デザイン的にも長く大きいフェースと、幅広いソール形状が相まってユーティリティのように扱えるアイアンです。パー3のティーショットで楽にワンオンを狙いたいゴルファーにいいでしょう。

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