ジュニア時代からの親友でライバルのジョーダン・スピースとジャスティン・トーマス。20代で世界ランク1位に上り詰め、ともにほぼ5年のスパンでスピース( 13年〜17年)はメジャー3勝を含む13勝、トーマス( 15年〜20年)もメジャー2勝、通算13勝を挙げました。ただ、現在はやや低調でマスターズ終了時の世界ランクはスピース20位、トーマスは30位。
ジェイソン・デイの軌跡も2人と似ていて、デイも14年から18年までの5年間で衝撃的なプレーを見せつけました。15年にはスピースを破り全米プロでメジャーを制覇し、5年のスパンで11勝を量産したのです。
16年から17年にかけ1年近く世界ランク1位に君臨したとき彼は26歳。スピースやトーマス同様、20代でゴルフ界の頂点に立ちました。15年にはシーズン5勝、16年には今でいうシグネチャーイベントで3勝(アーノルド・パーマー招待、WGCデルマッチプレー選手権、ザ・プレーヤーズ選手権)、17年にはナイキと破格な契約を交わしました。
しかし、5年後には世界ランク178位へ陥落。ケガもありゴルフ人生で最大のストレスを抱え「やめるべきか?」と自問自答したそうです。しかし、妻エリーさんが「諦めないで。もっと良くなるはずよ」と背中を押してくれました。
22年シーズンではデビュー以来最低の100万ドル(当時のレートで約1億3000万円)しか稼げませんでしたが、「自分自身を成熟させること」をテーマに戦った23年のAT&Tバイロン・ネルソンで5年ぶりの復活優勝を遂げたのです。
現在(5月16日時点)の世界ランクはスピース(24位)とトーマス(31位)より上位の19位。
「ゴルフは楽しい。もちろん勝つことは素晴らしいけれど、好調なときも不調なときも一番重要なのは家族(5人の子供がいる)の存在」
世界ランクを転がり落ちた、ここ5年を振り返り、デイは自分にこうアドバイスしました。
「忍耐強く常に成長する努力をする。より良くなるように努めなさい」
36歳の彼は再び上昇気流に乗り、第2次ピークを目指しています。スランプを経て歩んだ再起への旅路は「苦しかったけれど自分の場所に戻るためのプロセス」。今一度、彼に注目してみてください。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月21日号より(ARRANGE/Mika Kawano、PHOTO/Blue Sky Photos)※PGAツアーはBSJapanext(BS放送)、ゴルフネットワーク(CS放送)、U-NEXT(動画配信サービス)で毎週LIVE中継が見られます