日本のメーカー特有のふっくらした丸顔!
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは10.5度、シャフト「RK04-GT」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。
クラブ長さは標準的ながらクラブ重量が少し重めに設計されてることで、ある程度のスウィングスピードが必要なドライバーと言えそうだ
クラブ長さが45.13インチと「標準的(とはいえ最近では「やや短め」)」ですが、クラブ重さは308.2グラムと「やや重く」、スウィングウェイトもD2.1と「やや大きい」ので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが290万g・㎠と「やや大きく」なっています。
計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが44~45m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。
ヘッドの輪郭形状は日本メーカー特有のオーソドックスなふっくらとした丸型で、時計の文字盤でい
うところの4~5時方向に張り出し感があります。アドレスでは軽めのフックフェースと61.0度と非常にアップライトなライ角設定から、球をつかまえてくれるイメージが出ています。
アドレスではアップライトなライ角と軽いフックフェースで、球をやさしくつかまえてくれるイメージが出る
実際に試打したところアドレスでのつかまるイメージに加えて、ヘッドの後方が緩やかに低くなる軽めのシャローバック形状なことから、インパクト付近をレベルにスウィングするイメージが出ています。
シャフトはしっかりとコシがあってインパクトの再現性もいい感じで、ヘッドスピードが44~45m/sくらいのゴルファーが気持ちよく扱えそうです。打球音は少し高めで軽いフィーリングでした。
重心の位置関係は兄弟モデルの『タイプS』とは正反対でヘッドの重心距離が短く、フェース面のスイートスポットの位置がフェースの中央よりもかなりヒール側に設定された明らかなドローバイアスヘッドです。そのためフェース中央で球をヒットしても球にドロー回転が入りやすくなっています。
さらに重心深度が深いのでヘッドの慣性モーメントも大きくなり、芯を外したミスヒットに強くなっています。
そして、同時にヘッドのネック軸回りの慣性モーメントも大きくヘッドの帰りが遅めですが、『タイプS』よりも小さく抑えられており、フェースの操作性が良かったです。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月28日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より