ブリヂストンの「Bシリーズ」から登場した『245MAX』アイアンはバックフェースに従来の素材より軽いカーボンを使用することで余剰重量が生まれ、その浮いた重量をタングステンウェイトとしてフェース後方下部に搭載した新技術を“カーボンコアコンポジット”と謳っています。「この新技術はやさしさを向上させる以外の狙いがある」とクラブ設計家の松尾好員氏は言います。さらに前作の『233HF』アイアンのヘッドデータと比較しながら考察すると、今作がどんなゴルファーにピッタリなのか見えてきました。

ユーティリティのようなアイアン

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「VANQUISH BSi for MAX」です。掲載数値はすべて実測値となります。

クラブ設計が軽量化されており、リアルロフトも27.3度とストロング設定のアイアンだ

クラブ長さは7番で37.63インチと「かなり長い」設定ですが、クラブ重さは352.2グラムと「非常に軽く」なっています。クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントは260万g・㎠と小さくなり、計測数値のみで推測するとドライバーのヘッドスピードが38m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。

ヘッド形状は全体的にオーソドックスですが、非常に長いフェースと幅広いソール、強めのグースネックが特徴的です。

実際に試打したところ、大きなフェースと長いスコアラインの組み合わせで打面が広く見えるヘッドです。特にティーアップしたショットで打ちやすそうな安心感があります。アドレスでは厚いトップラインと長いバックフェースが相まって、ユーティリティのような雰囲気が出ています。クラブが長く、ロフト角が27.3度とストロング設定なことから、かつての5番アイアンを彷彿とさせます。しかし強めのグースネックのおかげで球を逃さず、包み込みながら飛ばせるイメージが出ました。

左から#6、#7、#9。長いフェースとグースネックのおかげで球を包み込むイメージをアドレスで感じられる

試打シャフトはカーボン仕様なことから、「かなり軟らかめ」の設定で軽く、振りやすくヘッドスピードが35〜36m/sくらいのゴルファーにピッタリです。

フェース面は軟鉄よりも硬い素材で弾き感が強いのですが、ポケットキャビティ内の振動吸収ラバーで、インパクトのパチン感は抑えられ、思った以上にインパクト音は落ち着いている印象です。ソールに注目するとバウンス角が「非常に小さい」ことから、払い打つようなスウィングのゴルファーと相性が良いでしょう。

ネック軸回りの慣性モーメントはフェースが長いヘッド設計のためその結果ダウンスウィング時のヘッドの返りが遅くなっており、“ひっかけ“のようなつかまり過ぎるミスの心配がありませんでした。

弾道はストロングロフト設計なことからバックスピンが少なめで鋭かったです。他のシニアゴルファーにも打ってもらいましたが、総じて弾道が低かったことから、8番からのセットも選択肢のひとつだと感じました。軽量で扱いやすく飛ばせるアイアンです。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年6月11日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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