“直進MAX“と“飛びMAX“の二刀流を目指したブリヂストン『B3 MAX』ドライバーを分析していきます。2023年に発売した『B2 HT』ドライバーとヘッドデータを比較すると「ミスヒットへの強さと弾道の安定感が進化している」とクラブ設計家の松尾好員氏は言います。データから見えてきた『B3 MAX』ドライバーと相性が良いゴルファーとは……。

【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●59度 体積●460cc 価格(税込)●9万9000円 ※メーカー公表値

さらに深・高重心ヘッドに進化!

GD 今回はブリヂストンの『B3 MAX』ドライバーを2023年発売の『B2 HT』ドライバーと比較しながら分析していただきます。ヘッドデータで注目するべきポイントはありますか?

松尾 はい。『B3 MAX』ドライバーの「重心深度」、「スイートスポットの高さ」、「ライ角」の3つのデータからどんなゴルファーと相性が良いのかが見えてきました。

GD では重心深度からよろしくお願いします。

松尾 重心深度は『B2 HT』が41.3ミリ、『B3 MAX』が45.2ミリと約4ミリ深くなっています。平均的な重心深度は39.0ミリ〜40.0ミリになるので、『B3 MAX』の45.2ミリは他のドライバーと比較しても非常に深い数値になります。

GD 重心がさらに深くなったんですね。重心を深くするメリットは何があるのでしょうか?

松尾 重心をヘッドの後方へ深くすると、芯を外したミスショットに強い性能になります。重心深度と関わり合っているのが「ヘッドの慣性モーメント」になります。

GD つまり重心深度の深さとヘッドの慣性モーメントの大きさが関係しているんですね?

松尾 はい。ヘッドの慣性モーメントを比較してみると『B2 HT』は4922g.㎠、対して『B3 MAX』が5272g.㎠と大きくなっています。先ほどの重心深度も『B3 MAX』のほうが深くなっていることから関係性が分かると思います。

GD 『B3 MAX』は『B2 HT』よりも芯を外したミスヒットに強いクラブに進化したと言えるわけですね。続いてスイートスポットの高さについてお願いします。

松尾 『B2 HT』が35.1ミリ、『B3 MAX』が37.4ミリとスイートスポットが高く設計されています。高重心になっているのでスピンが入りやすいドライバーと言えるでしょう。

画像: 上が『B2 HT』、下が『B3 MAX』の重心カット。ヒール寄りのドローバイアスヘッドの『B2 HT』に対して、フェースの中心部の高い位置に重心設計されているのが『B3 MAX』の特徴だ

上が『B2 HT』、下が『B3 MAX』の重心カット。ヒール寄りのドローバイアスヘッドの『B2 HT』に対して、フェースの中心部の高い位置に重心設計されているのが『B3 MAX』の特徴だ

GD なるほど。スピン量が足らずにドロップしてしまいキャリーが稼げないゴルファーに良さそうですね。3つめのライ角はいかがでしょうか?

松尾 『B2 HT』の60.0度に対して『B3 MAX』は61.5度とさらにアップライト設定でつかまり性能も進化していますね。さらに少しフック気味のフェース角と相まって、アドレスでも右に逃げるイメージが出ないあたりも特徴のひとつです。

GD  『B3 MAX』ドライバーは、どんなゴルファーにオススメですか?

松尾 アップライトなライ角でボールがつかまりやすく、大きいヘッドの慣性モーメントで芯を外しても真っ直ぐ飛んでいくサポート機能があるため安心して振り抜けます。そしてヘッドスピードに自信がなくスピン量が足りずに飛距離を稼げない悩みを抱えている方も扱える高重心設計のやさしいドライバーです。体力に自信がないシニアゴルファーの方は一度試されても良いかと思います。

B3 MAX
試打動画

画像1: ブリヂストン「B3 MAX ドライバー」のロフト角違いを打ち比べ! youtu.be

ブリヂストン「B3 MAX ドライバー」のロフト角違いを打ち比べ!

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