同誌の選考は04年にスタートし、その選考基準がフェアでないと一時期停止されていたが、17年に再スタートしている(発表は隔年)。この選考ジャンルは米国ベスト100コースと米国を除いた世界ベスト100コースに分けられており、日本のコースは後者にランクされている(別で米国パブリック100コースもある)。
日本のランクは以下。例年と変わらず日本のトップは廣野GCだが、前回よりランクを落として26位(前回は6位)。川奈ホテル&GCが50位(前回は42位)、鳴尾GCが83位(前回は35位)、東京GCが99位(前回は61位)と、4コース全部がランクダウンしているのだ。
この原因の推測は後述するとして、世界のベスト10を列記する。
1位は不動と言うべきロイヤルカウンティダウンGC(アイルランド、以下・愛)。
2位がロイヤールドーノックGC(スコットランド、以下・蘇)。
3位セントアンドリュース・オールドC(蘇)。
以下、ロイヤルポートラッシュGC(愛)、ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)、ミュアフィールド(蘇)、タライテイGC(ニュージーランド)、トランプ・ターンベリー(蘇)、ノースベリックGC(蘇)、バリーバニオンGC(愛)とお馴染みの名前が続く。
米国ベスト100コースに目を転じると、1位がこれまた不動のパインバレーGC、2位オーガスタナショナルGC、3位サイプレストポイントC、4位シネコックヒルズC、5位オークモントCC、6位メリオンGC、7位ナショナルGL、8位サンドヒルズGC、9位フイッシャーズアイランドC、10位セミノールGCと、こちらも聞いたことのあるコースが並ぶ。
日本のランクが落ちた原因に関して、日本人で元選考委員(パネリスト)の川田太三氏、現パネリストの武居振一氏、レックス倉本氏の話を総合してみると、著名外国人設計家が改修すると専門家の間で評価が上がる一方、時間の経過とともにショットバリューなどの評価が少し落ちたのではないだろうかと予想される。
また、タイやメキシコ、カナダ、ニュージーランドなどの砂丘地帯に著名設計家たちによるリンクスコースが多く造成されており、これらのコースがランクを上げることで、日本は押し出されている格好になっている。
世界の主流は原点回帰のリンクス志向であり、日本にとって若干不利な状況でもあるのだ。また2年後、どう変わっていくだろうか。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年8月6日号「バック9」より