こんにちは。桂川有人です。スコットランドの続きをお話しします。
スコットランドでは、コースからなるべく近くに家を借りて泊まり、移動を少なくするようにしました。特にメジャーになってくると、スタート時間がすごく早かったり遅かったりするので、なるべくコースから近くじゃないと、寝る時間がなくなったり、いろいろな負担がかかります。ゴルフに集中したいですし。
今回はコーチの目澤(秀憲)さん、トレーナーの稲葉(弘泰)さんと一緒でした。ご飯は基本自炊。ほとんど地元のスーパーで買ったものです。冷凍食品や、お肉など焼いてすぐに食べられるようなものを買って自炊して過ごしていました。料理は主に目澤さんが担当。料理と言っても焼くだけなので誰にでもできると思うんですけど(笑)。でも、やっていただいて、とてもありがたかったです。お米は、ベトナムライスを買って「チン」して食べたりしていましたよ。
僕は、オランダの試合から1カ月以上ずっとヨーロッパにいたので、フリーズドライのお味噌汁などの日本食は持って行けなかったのですが、目澤さんたちが「サトウのごはん」を持ってきてくださったりしたんです。荷物に制限があるので、そんなにたくさんではないんでけど、やっぱり一番美味しい(笑)。タイミングを見ながら、たまに日々の食事に挟んで食べていました。
大会が始まる前には、外食でインド料理屋さんや中華料理屋さんに行ったりしましたけど、大会が始まれば、やっぱり自炊がラクなんです。外食はかなり値段も高いですしね。スコットランドはインド料理屋さんが多かったイメージです。チキンバターカレーやちょっと辛めのカレーなどをみんなで食べました。
ジェネシス・スコットランドオープン開催のザ・ルネッサンスクラブはエジンバラから東に車で45分くらい。全英オープン開催のロイヤルトゥルーンは西にあります。
今回、あまり時間がなかったのですが、スコットランドの街並みや建物、エジンバラ城を遠くから見ました。テレビのなかの世界だと思っていたので不思議な感じがしました。物語のなかにいるイメージというか。こんなところに自分が来るとは思っていませんからね。「ああ、いるんだ」って。(高校時代の)フィリピンのときもそうですけど、まさか自分が海外に行くとは思っていなかった。普通だったら行けないところに来ているんだなあ。でも、それも面白いですよね。
改めて、全英オープンに関して。リンクスコースで行われるので、試合会場の雰囲気はもちろん違いますけど、メジャーの盛り上がりという意味では変わりはありません。あ、アメリカで行われるほうがブーイングが多いかな。でも、僕、そこまで上位で争っていないので、きちんとメジャーの雰囲気がわかっているわけではないですよね。もっと上位争いして感じていきたい。リンクスはゴルフがガラッと変わるので、慣れが必要だとは思います。でもやっぱり面白いです。
優勝したザンダー(・シャフフェレ)は、最終日はノーボギーで伸ばして。もうすごいです、はい。めちゃめちゃ飛びますけど安定感もあって、常に上位にいるイメージ。体格はあまり関係なくて、やっぱり日頃のコンディショニングなどをしっかりできるのがトッププロなんですよね。トレーニングも相当していると聞きますし、努力の証です。そして、全米プロで勝ったことで何かが変わった。ちょっと自分にはわからない世界なので、自分もそれを感じられる選手になりたいです。
でも焦ってはいません。もちろん早くそのレベルで戦ってみたいですけど、気持ちばかり先に行っても……。やるべきことをやらないとそこには行けないので、ひとつずつ自分のペースで。苦手、不得意も受け止めながら、時間をかけて、できるようにやっていくしかない。自分を信じて。でも、その過程を楽しむようにもしています。上を目指して、何をやったら上手くなる、これをやったらダメ、そう考え、結果だけでなく、“やっている”過程が大事だとも思います。挑戦していることが人生、という感じもするんです。
今、いったん日本に帰ってきています。暑いです(笑)。8月8日から開催の日本ツアー「横浜ミナトチャンピオンシップ~Fujiki Centennial~」(横浜CC)には出場する予定です。
写真/桂川有人