ブライソン・デシャンボー(30)を悩ませていることがある。ジュニア時代から18年まで、彼のコーチだったマイク・シャイ氏(63)との確執だ。
画像: 6月の全米オープンを制しながら、7月の全英オープンで予選落ちしたブライソン・デシャンボー(撮影/姉崎正)

6月の全米オープンを制しながら、7月の全英オープンで予選落ちしたブライソン・デシャンボー(撮影/姉崎正)

「全米オープンの賞金の半分なんてとんでもない」とデシャンボーは反論

事の発端は、どうやらデシャンボーの亡き父ジョン氏の名前を冠した「ジョン・デシャンボー・メモリアルジュニアツアー」にあるようだ。

同ツアーを創設したシャイ氏の「大会の運営資金をデシャンボーが出し渋っている」という主張に対し、デシャンボーがゴルフウィーク誌のインタビューで語ったところによれば、それらは「全くの嘘」で、運営資金はすでに調達済みであり、「彼は組織を適切に運営できていない」。

これを受けシャイ氏は「私はブライソンのことを知っており、彼がお金を渡したくないことはわかっていた」と反論。主張の真偽はともかく、シャイ氏のフラストレーションが溜まっていたのは事実なようだ。

特に先の全米オープンでデシャンボーが優勝した際、彼を支えてくれた人々に感謝の言葉を語ったが、そこにシャイ氏の名前がなかったことで爆発。その後デシャンボーのチームに、これまでの労働の対価として200万ドル(約3億円)を要求したというのだ。

デシャンボーはシャイ氏の名前を失念したことには反省の意を表したものの、「全米オープンの賞金の半分なんてとんでもない」と反論。「不満を抱いた“過去の”従業員」だと非難し、「良いビジネスプランが立てられるだろうという思い込みで、父の名前や画像、肖像を無料で彼に渡したが、うまくいかなかった」と語っている。

デシャンボーによれば、これまでに総額1億5000万円近くをシャイ氏に支払っているという。

シャイ氏にすれば「恩人に対し冷たすぎる」ということになり、デシャンボーにすると「十分に尽くした」ということになるのだろう。

あるいは、先の全英オープンでのまさかの予選落ちの裏には、かつて”第2の父”と慕っていた恩人との確執が災いしていたのかも?

※週刊ゴルフダイジェスト2024年8月13日号「バック9」より

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