今回はテーラーメイド“ミニドライバー“4作目となる『バーナーミニ カッパー ドライバー』を分析します。近年の道具の進化と選手のフィジカル強化によって飛距離が増す一方で、逆に飛びすぎることで2打目が難しくなるケースではミニドライバーを選択し、堅実にスコアメイクをするツアープロが増えています。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「プロだけでなくアマチュアでもミニドライバーが活躍するシチュエーションがある」と言います。ヘッドデータを紐解くと最適な活躍の場が見えてきました。

ウェイトビスで弾道をカスタマイズできる!

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは11.5度、シャフトは「USTマミヤ PROFORCE 65 M40X」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。

ネック軸回り慣性モーメントが非常に小さい設定で、ヘッドの見た目だけでなく操作性も高いドライバーだ

クラブ重量は331.6グラムと「非常に重く」、ヘッド重量が213.6グラムと「重い」設定ですが、クラブ長さが43.25インチと「短く」なっていることで、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが289万g・㎠に抑えられています。計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが44m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。

ヘッド形状は前モデルと同様に丸型のオーソドックスで、大きさも同じですがドライバーとして見た時は小ぶり感があります。そして前モデルと同じスクエアフェースで、ライ角が56.0度とかなりフラットなので、適度に叩いてフェアウェイに運べるイメージが出ます。

左が前モデル、右が今モデル。ヘッドのコンパクトさと素直な顔付きは継承されて構えやすい

実際に試打したところ、アドレスでは体積が303ccと23~24年くらい前のドライバーと同じサイズ感のおかげで、通常のドライバーのような高いティーアップは必要なく、低いティーアップで打つと芯にミートしやすいです。

試打シャフトは前モデルと同じ仕様で、やや軟らかめの設定でありながら、素直なシナリでスウィングしやすかったです。またインパクト音も落ち着いていて心地良いフィーリングでした。

ドライバーとしては小さくシャローなヘッドですが、前モデルと比べて明確に違う点はリアルロフト角設定が1度大きくなり、ボールが上がりやすくなっているのが特徴です。

重心位置は前モデルとほぼ同じですが、ヘッドの慣性モーメントは前モデルよりもわずかに小さくなっています。前モデルと同様にソール面にウェイトビスが搭載されており、標準配置はフェース側が1.5g、バックフェース側に13gとなっています。このまま打っても低重心設計なので、11.5度としては比較的低スピンの弾道を打ちやすくなっています。またウェイトビスを入れ替えると弾道を調節出来るところも特徴です。

通常のドライバーよりも約15~20ヤードくらい飛距離は落ちるものの、クラブの長さが短いので「ミートしやすく弾道も安定」しています。通常のドライバーだと狭いホールでOBが多いゴルファーにとっては、狭いホールのティーショット用のセカンドドライバーとしてセッティングするのもいいでしょう。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年8月13日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

各ドライバーのヘッドデータが比較できる、テーラーメイド ドライバー図鑑はこちら

This article is a sponsored article by
''.