「長谷部祐とギア問答!」は、国内外大手3メーカーで、誰もが知る有名クラブの企画開発を20年超やってきたスペシャリストの長谷部祐氏に、クラブに関する疑問を投げかけ、今何が起こっているのか?その真相を根掘り葉掘り聞き出すものです。クラブ開発の裏側では、こんなことが考えられていたんですね……。

今年一番人気のG430 MAX 10Kの初戦は「ギリギリ」をさらに磨いたプロギア RS

GD 1回戦8マッチの勝敗予想をお願いできますか? Aブロック第一試合、『タイトリスト GT2』(予選1位)vs『キャロウェイ パラダイムAiスモーク ♢♢♢S』(予選16位)。

長谷部 少しやさしめで大きめのヘッドの『GT2』と、Aiスモークの小さいヘッドの『♢♢♢S』ですか……。今回のテスターの感じからするとAiスモークが勝ってもいいかなっていう気はするんですが、GT2の仕上がり感、ツアーでの評判といったものを考えるとGT2が勝つような気がします。

GD Aブロック第二試合、『タイトリスト GT3』(予選5位)vs『テーラーメイド Qi10』(予選12位)。

長谷部 どっちが勝ちそうかというと、なかなか難しい。似た者似た者同士の戦いです。『Qi10』はツアー実績がある。ローリー・マキロイも使っている。そういったことから考えるとパフォーマンスはしっかりと担保されていると思うんです。

ただ、『GT3』は前重心設計のツアーモデルなので、どちらがテスターに好まれるか。振りやすさとか、そういったところが気になります。あとは初速ですね。チタンフェースとカーボンフェースの初速の違いがどう出てくるのかなというのは気になりますね。

GD Bブロック第一試合、『ヨネックス イーゾン GT タイプS』(予選8位)vs『ミズノ ST MAX230』(予選9位)。岩井姉妹が使っているモデルとミズノの国産対決です。

長谷部 話題性で言うと岩井姉妹のドライバーがどれだけのパフォーマンスを出せるかですね。予選の順位からしても上位に来ているので、どこまで勝ち進むか結果も期待されるのかなって思います。

『タイトリストGT』勢を破るのはもしかすると『ヨネックス イーゾン GT タイプS』ではないかと長谷部氏は予想。順当に勝ち進めば準決勝で『GT2』と激突する

GD Bブロック第二試合、『パラダイム Aiスモーク MAX FAST』(予選13位)vs『テーラーメイド Qi10 LS』(予選4位)。AiスモークのMAX FASTなので軽量モデルです。対するはテーラーメイドのロースピンモデル。まったく違う性能の対戦となりました。

長谷部 『MAX FAST』は一般アマチュアに向けのやさしいモデルなので、この3人のテスターに合うのかどうかが関係してきます。女子プロがどこまでこのモデルで結果を出せるかといったところが影響してくるでしょう。

GD Cブロック第一試合、『オノフ KURO』(予選3位)vs『キャロウェイ パラダイム Aiスモーク♢♢♢』(予選14位)。

長谷部 『オノフ KURO』は予選上位でした。『Aiスモーク♢♢♢』はLS系のツアーモデルになります。オノフもKUROは上級者に評判がいいというのはよく聞かれることなので、改めて見てみてクラウンの溝とか、そういったところが注目される機能ではあると思うんですけど、国産vs キャロウェイの面白い戦いだと思います。

GD Cブロック第二試合、『ピン G430 MAX 10K』(予選7位)vs『プロギア RS』(予選10位)。今年大人気のドライバーと最新モデルのプロギア RSの戦いで、注目すべきはギリギリの高初速VS大慣性モーメント、どっちが飛ぶんだ? ということになります。

長谷部 個人的には『RS』の高初速が勝つんじゃないかって思うんですが……。 ただ、1発勝負ではなく、平均値を取るっていうことからすると、ギリギリの1発の飛びと安定性の10Kだと、「ピン」のほうが少し優位なのかなという気がします。

深重心ドライバーの実力はいかに。予選7位の『ピンG430 MAX 10K』の1回戦は『プロギアRS』

GD Dブロック第一試合、『ヤマハ リミックスVD/R』(予選6位)vs『プロギア RS F』(予選11位)。この2モデルはどちらも4点集中理論で、似た設計同士の対決になります。

長谷部 4点集中ですし、どちらも前重心モデルなので設計の狙っている方向は同じですね。形状はちょっと異なりますけども、カーボンコンポジットかフルチタンか。

ヤマハは非常にクラウンのボリューム、丸みが強く独特な形状をしていて、フェースセンターの高さもぶ厚い。ヤマハとプロギアの肉厚設計の最新モデルの戦いになりますが、ここはプロギアが勝つのかな? どうなのかなってとこですかね。

フェースセンターに重心点、最大たわみ点、最高反発点を集中させる『プロギアRS F』。1回戦の相手は同じ4点集中設計の『ヤマハVD/R』。似たもの対決に注目

GD Dブロック第二試合、『プロギア RS MAX』(予選15位)vs『タイトリスト GT4』(予選2位)。

長谷部 性能的には真逆のクラブの対戦です。『GT4』はGTシリーズの中で一番小ぶりなヘッド。『RS MAX』は大きめのヘッド。ここは予選の順位からみてもGT4が優位なのかなと思いますね。

●D-1グランプリ2024の模様は、月刊ゴルフダイジェスト10月号(8月21日発売)で掲載いたします。

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