神奈川県にあるGDO茅ヶ崎GLを運営する㈱ゴルフダイジェストオンライン(GDO)と、Jリーグに加盟する湘南ベルマーレを運営する㈱湘南ベルマーレは、このほど「持続可能な地域をつくる活動」で提携することを発表した。
両運営会社はゴルフとサッカーというスポーツの垣根を越え、同GLを活用して地域の人々の心身の健康やスポーツ振興を促していくとしている。具体的にはゴルフとサッカーが融合した新スポーツ、「フットゴルフ」の実施や、ドッグラン、ゴルフ場にすむ生きものを探す「生物観察」、夜のゴルフ場を一般開放した「ナイトピクニック」などでの連携を予定。同GCの歴史を簡単に記す。
元をたどれば1949年、横須賀市にある小原台GCを造成したことに始まる。しかし9ホールを造り終えたところで、地元の反対などにより撤退。代替地に茅ヶ崎菱沼海岸の県有地を借地提供されたことに行き着く。コース用地は相模湾に接する砂防林で赤松が点在する平坦な砂地。設計は名匠・上田治。関西では名を馳せていたが、関東では希少な“上田コース"だ。リンクスと同じ砂地のシーサイドコースを、英国憧憬(しょうけい)の強い上田はことのほか気に入っていたという。
57年の開場以来、ここ10年ほど閉鎖の危機など紆余曲折を経て、2021年よりGDOが運営。26年までの5年間継続の契約も取り付けた。
名称も「茅ヶ崎ゴルフ倶楽部」から「GDO茅ヶ崎ゴルフリンクス」に改称し、完全セルフプレーやドレスコードフリー、当日予約OKなどを打ち出し、カジュアルゴルフを提唱している。
また前述したように地元地域との交流に熱心で、さまざまなイベントでノンゴルファーをも引き付けている。コロナ禍のなか、修学旅行に行けない小学校児童たちのためにフットゴルフなど代替行事も行った。ほかにもダイニングカフェを地域住民に開放。さらにコース管理小屋を改装し、サーファーのためのボード置き場や、シャワー室の設置もしている。
同GLは広域避難場所にも指定されており、地域住民のためのこうした取り組みが評価されたことから、神奈川県茅ヶ崎市も26年以降もゴルフ場存続へと舵を切ったとの見方が有力だ。
ゴルフ場存続のためには、こういった"攻め"の一手も必要なのかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年8月20&27日合併号「バック9」より