2019年にピン史上初となる軟鉄鍛造の「初代ブループリント」が誕生。6年が経過した2024年、2代目が発売されました。今作は前作と異なり操作性とやさしさを兼ね備えたキャビティ構造の”ブループリントS”と、操作性に磨きをかけ、見た目も凹凸のない純粋なマッスルバックに仕上げられた”ブループリントT”の2機種となっています。今回は本格派でありながらもやさしさが備わっているブループリントSアイアンを、多くのツアープロが使用し、ロフト角が同じ設定となっている『i230』と比較しながらクラブ設計家の松尾好員氏と分析しました。
画像: 【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/33.0度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/3万6300円(スチールシャフト装着1本あたり)※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/33.0度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/3万6300円(スチールシャフト装着1本あたり)※すべてメーカー公表値

コンボで組むのも1つの選択肢!

GD 今回はピン『ブループリントS』アイアンを『i230』アイアンと比較しながら分析していただきます。ヘッドデータで注目したポイントはありますか。

松尾 重心距離、ネック軸回りの慣性モーメント、ヘッドの慣性モーメントの3つを比較するとどんなゴルファーにブループリントSと相性がいいのか見えました。

GD まずは重心距離からよろしくお願いします。

松尾 わかりました。『i230』が38.3ミリ、『ブループリントS』は36.8ミリとなっています。基準値が37.5~39.0ミリなのでi230は標準的な設定に対して、ブループリントSは短くなっています。

GD つまり『ブループリントS』はヒール側に重心が寄っていることになりますね。フェースの見た目にも影響がありそうですね。

松尾 はい。『i230』よりもフェースの長さが1ミリ短くなっていました。このわずかな差が『ブループリントS』を構えた時に感じるシャープな雰囲気に繋がっていると思います。

GD 続いてネック軸回りの慣性モーメントについてお願いします。

松尾 『i230』が5690g・㎠、対して『ブループリントS』が5144g・㎠と小さく、ヘッドの操作性が良く小ぶりな見た目通りの性能を持っているアイアンと言えます。

GD 基準値の5500~5999g・㎠と比較しても操作性の良さに比重が置かれた設計意図を感じますね。ヘッドの慣性モーメントはいかがでしょうか。

松尾 『i230』が2741g・㎠、『ブループリントS』が2414g・㎠とこちらも小さく抑えられています。芯を外したミスヒットをカバーしてくれるようなお助け機能が備わっているアイアンではないことが分かります。ここから言えるのは万人向けではなく、より精密にボールへミート出来るゴルファーが使いこなせるアイアンだと思います。

GD なるほど。別のポイントで気になるのは規格のロフト角が33.0度と同じ設定ですが、コンボで組むという選択肢はありなのでしょうか。

松尾 『i230』のほうが微妙にフェースが長く、ソール幅も少し広い、そしてヘッドの慣性モーメントが大きいので、ロングアイアンを『i230』にするのもいいのではないでしょうか。しかしひとつ注意してほしいのは『i230』のほうがストレートネックで、ネック軸回りの慣性モーメントが大きいことから、やや球をつかまえにくく感じる方もいると思うので試打をしてから決めてほしいですね。

左が『i230』、右が『ブループリントS』。同じロフト角といえどヘッドの返しやすさが異なる特徴を踏まえてセッティングすると幅が広がる。さらにピン独自のフィッティングによるライ角調整でつかまりやすくさせるのも選択肢の一つ

GD データだけでなく実際の個人の感覚と擦り合わせながら吟味すれば、良いオプションのひとつとしてコンボも有効なわけですね。『ブループリントS』がおすすめのゴルファーをお願いします。

松尾 見た目が小ぶりでとても構えやすく、軟鉄鍛造の手に残る打感が心地良いです。ロフト角が寝ているおかげでスピンが入り、しっかり上からボールを止められます。しかしロフト角の設定上、飛距離性能やミスヒットへのやさしさのようなお助け機能があるアイアンではありません。これらを踏まえるとある程度、自分が意図したクラブ操作が出来るゴルファーが使いこなせるアイアンでしょう。

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