2019年にピン史上初となる軟鉄鍛造の「初代ブループリント」が誕生。6年が経過した2024年、2代目が発売されました。今作は前作と異なり操作性とやさしさを兼ね備えたキャビティ構造の”ブループリントS”と、操作性に磨きをかけ、見た目も凹凸のない純粋なマッスルバックに仕上げられた”ブループリントT”の2機種となっています。今回は本格派でありながらもやさしさが備わっているブループリントSアイアンを、多くのツアープロが使用し、ロフト角が同じ設定となっている『i230』と比較しながらクラブ設計家の松尾好員氏と分析しました。

飛び系にはない打ちやすさ!

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「N.S.PRO MODUS TOUR105」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。

弾道を自由自在に打ち分けやすい操作性の良いヘッド性能だ

クラブ長さが37.06インチと標準的ですが、クラブ重量が412.8グラムと「やや重い」ので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが268万g・㎠と「やや大きく」なっています。

計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが、「44m/s」くらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。

ヘッド形状は前モデルからフェースが長くなっており、構えた時の安心感がありながら、全体的に小ぶりなヘッドとストレートネックが相まってプロモデルらしい精悍な顔付きです。

実際に試打したところ、前モデルから長くなったフェースとソールの幅が少し広くなったおかげで、プロモデルでありながらやさしさ感が増した印象を受けました。さらにリーディングエッジとトップラインが少し丸みを帯びている設計から、アドレスで球を包み込むイメージが出ています。

左から#5、#7、#9。ヘッド全体が小ぶりなサイズ感でありながら、丸みがあることでアドレスで難しさを感じない

試打シャフトは適度にしっかりしており、ダウンブローにも耐えてくれるハリがあります。リアルロフト角は32.8度設定で、最近の流行であるストロングロフト設定ではないので、フェアウェイのあるがままの状態からでも球は上がりやすく、小さいヘッドながら打っていてとてもやさしく感じます。

ソールのバウンス角が8.8度と米国メーカーらしく大きい設定で、ダウンブローに上から打ち込むスウィングと相性が良く、ソールの抜け感が良かったです。ラフやライの悪いところからでもボールにコンタクトしやすいはずです。

ヘッドが軟鉄系素材なことからインパクト音は低く、打感が軟らかく気持ちのいいフィーリングでした。

ネック軸回りの慣性モーメント(基準値:5500~5999g・㎠)が5141g・㎠とやや小さい設定なので、ヘッドの操作性が良くインテンショナルにドロー、フェードと弾道を操作しやすくなっています。

スピンもきちんと入り、キャリーが安定しています。ボールを上げやすく上からグリーンを狙い止めやすいので、モデル名に付いている“S“の文字通りスコアメイクに役に立ちそうなアイアンです。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年8月20&27日合併号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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