「ボギーは大丈夫」精神でいい流れに
初日、2日目と1アンダーで回り、トータル2アンダーの11位タイから3日目をスタートした申ジエ。JLPGAが主戦場なので日本でもお馴染みの選手だが、世界ランク1位の経験があり、全英女子オープンを2008年、2012年の2度、優勝している実力者だ。
3日目もその実力どおり1番、2番でバーディを奪いスタートダッシュを決める。3番でボギーを叩くも、海が近く風読みが難しい7番、8番、9番を3連続バーディとし、前半を4アンダー(トータル6アンダー)とする。後半に入っても12番でバーディ、14番でボギーを叩くものの、いいリズムで楽しそうにラウンドしていた。その理由を申ジエは「セントアンドリュース・オールドコースというコースで、風も強いタフなコンディションだとボギーはいつか来る。なのでボギーはしょうがないもの、ボギーでも大丈夫と思うようにしていたんです」と話す。
その気持ちを貫いたからこそ、14番のボギーを引きずらずに16番までパーを続けることができた。そして単独トップを手繰り寄せた17番がやってくる。17番はセントアンドリュース・オールドコースのシグネチャーホールのひとつで、ティーショットでオールドコースホテルの上を狙うスリリングなホール。申ジエは「1日目、2日目とボギーを打っているホールだったので、長い距離のパターが残ったとしてもパーオンすることを絶対的な目標にしていた」という。
風の計算+技術力でスーパーショット!
「今日の17番のピン位置は左だったのですが、グリーン右でもOKだと思いながら打ちました。その際、セカンドショットは右サイドにオールドコースホテルがあるので風が遮られていてグリーン上空の風が読みにくいんです。なのでキャディさんと話し合いつつ、ピンフラッグのなびき方を観察して打ったんです。結果、風にうまく乗ってカップから1mないくらいについてくれたんです」と自身のショットを解説してくれた。
風の計算とショット力がばっちりと噛み合ったからこそのスーパーショット。観客からの大歓声を浴びながらバーディパットを沈め、見事、この難しいホールで単独トップに躍り出た。
最終日、3度目の全英女子制覇を狙う申ジエ。今日のスーパーショットを打った勢いのまま優勝もあるか⁉