ゴルフの聖地セントアンドリュース・オールドコースで開催中のAIG女子(全英女子)オープンは3日目を終えた。3日目は「ムービングサタデー」と言われるが、その言葉どおり、スコアを伸ばしリーダーボードを駆け上がったのは日本ツアーを主戦場としている申ジエだ。風が強く厳しいコンディションとなった全英女子オープンの初日、2日目とアンダーで回り、11位タイスタートだったこの日、5アンダーを叩き出し、単独トップに。なかでもバーディを奪った17番のセカンドショットは現地にいるすべての人を虜にした一打だった。ゴルフダイジェスト特派記者が現地からレポートする。
画像: 2日間ボギーを叩いていた17番のセカンドショットでベタピンにつけ、観客の声援に応える申ジエ(撮影/姉崎正)

2日間ボギーを叩いていた17番のセカンドショットでベタピンにつけ、観客の声援に応える申ジエ(撮影/姉崎正)

「ボギーは大丈夫」精神でいい流れに

初日、2日目と1アンダーで回り、トータル2アンダーの11位タイから3日目をスタートした申ジエ。JLPGAが主戦場なので日本でもお馴染みの選手だが、世界ランク1位の経験があり、全英女子オープンを2008年、2012年の2度、優勝している実力者だ。

3日目もその実力どおり1番、2番でバーディを奪いスタートダッシュを決める。3番でボギーを叩くも、海が近く風読みが難しい7番、8番、9番を3連続バーディとし、前半を4アンダー(トータル6アンダー)とする。後半に入っても12番でバーディ、14番でボギーを叩くものの、いいリズムで楽しそうにラウンドしていた。その理由を申ジエは「セントアンドリュース・オールドコースというコースで、風も強いタフなコンディションだとボギーはいつか来る。なのでボギーはしょうがないもの、ボギーでも大丈夫と思うようにしていたんです」と話す。

その気持ちを貫いたからこそ、14番のボギーを引きずらずに16番までパーを続けることができた。そして単独トップを手繰り寄せた17番がやってくる。17番はセントアンドリュース・オールドコースのシグネチャーホールのひとつで、ティーショットでオールドコースホテルの上を狙うスリリングなホール。申ジエは「1日目、2日目とボギーを打っているホールだったので、長い距離のパターが残ったとしてもパーオンすることを絶対的な目標にしていた」という。

画像: 風の読みと狙いをキャディと相談する申ジエ(撮影/姉崎正)

風の読みと狙いをキャディと相談する申ジエ(撮影/姉崎正)

風の計算+技術力でスーパーショット!

「今日の17番のピン位置は左だったのですが、グリーン右でもOKだと思いながら打ちました。その際、セカンドショットは右サイドにオールドコースホテルがあるので風が遮られていてグリーン上空の風が読みにくいんです。なのでキャディさんと話し合いつつ、ピンフラッグのなびき方を観察して打ったんです。結果、風にうまく乗ってカップから1mないくらいについてくれたんです」と自身のショットを解説してくれた。

風の計算とショット力がばっちりと噛み合ったからこそのスーパーショット。観客からの大歓声を浴びながらバーディパットを沈め、見事、この難しいホールで単独トップに躍り出た。

最終日、3度目の全英女子制覇を狙う申ジエ。今日のスーパーショットを打った勢いのまま優勝もあるか⁉

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