シャフトの試行錯誤から生まれた“偶然の産物”
7月に行われたCPKC女子オープンの週からシャフトを試行錯誤していたという勝みなみ。
「ずっとディアマナのGTを使っているのですが、先がしなるタイプのシャフトなので調子がいいときはいいのですが、調子が悪いとタイミングが合わず、左右に散ってしまうことが多いんです」
調子が悪くなっても“暴れすぎない”ようにするため、チップカットやシャフト先端の剛性を高めたものを全英女子オープンの練習ラウンドで試していた。チップカットをしたシャフトでは振り心地が変わってしまいNG。シャフト先端の剛性を高めたものに関しては、振り心地がしっくりきたため、「これで行ってみようと」と思った矢先に自分のティーショットを打つ順番に。適当にシャフトを挿したところ……打った瞬間にいつもより飛ぶ感覚が合ったのだという。なんでだろうと、ショット後にカチャカチャ部分(可変式スリーブ)を見てみるといつもと違う位置にセットされていたのだという。
「いつもと違う位置だったんでビックリしたんですが、見た目も高さもつかまり具合も、そして飛距離もすべてよかったのでこのセッティングでいくしかないなと。本当に偶然できたセッティングなんですけどね(笑)」
ドライバーのセッティングを変え、挑んだ今大会。3日目の決勝ラウンドは2オーバーの36位タイからスタート。前半はティーショットと100Y以内のショットが光り、2バーディ・ノーボギーと好調なラウンド。その勢いのまま後半へ突入かと思ったが、11番で突如嵐のような風と雨に襲われる。
11番は153ヤード(パー3)で初日、2日目をとおして難易度No.1のホール。そこに強風が吹くとなるとパーセーブは至難の業。勝もその影響で本日初のボギーを叩いてしまう。そこから悪い流れを断ち切れず、インコース9ホールで4ボギー。2つスコアを落とし、トータル4オーバーの58位タイとなってしまった。
「後半から長いクラブのショットが安定していなかった。構えたときからなんかちょっと違うなと思っていたのですが、それがよくなかったんだと思います。でも18番のティーショットで悪い流れのときは重心が上になってしまいがちなので、そういうときこそ重心をどっしりさせればいいショットが打てると気づけたので明日には繋がるかなと思います」
18番のティーショットは本人も絶賛するほどのナイスショット。明日へのいいイメージを残したまま練習場へ向かった。10月から始まるアジアシリーズに出場するためには、是が非でも結果が欲しいところ。新セッティングドライバーが火を吹けばまだまだ上位進出はありそうだ。
3日目トップはトータル7アンダーの申ジエ、1打差でリリア・ヴ、さらに1打差でネリー・コルダと続く。なお、日本人トップは10位タイ(2アンダー)の西郷真央。聖地で行われる全英女子オープンも明日が最終日。日本人の活躍と優勝争いに注目だ!